ニュース その他分野 作成日:2020年3月18日_記事番号:T00088897
KPMG 分かる台湾会計期末決算時に保有している在庫について、会社で棚卸を行っていると思います。今回は海外倉庫に在庫を保管している場合の営利事業所得税(法人税)申告上の注意点について説明いたします。
1.海外倉庫へ出荷の取り扱い
台湾から海外への販売において、台湾から直接輸出販売せず、自社で海外倉庫に一時在庫を保有して販売することがあると思います。この場合、営業税申告においては物品が税関を通過した時点で、輸出通関書に記載の価格をもって、ゼロ税率の売上として取り扱う必要があります。その後、実際の売上額と輸出時の営業税申告売上額との間に差額がある場合や、期末時点で海外倉庫に未販売在庫を保有する場合には、営利事業所得税の申告の基になる会計上の売上高と営業税申告上の売上高とに差異が生じます。これらの差異に関して営利事業所得税の申告において営業収入調整表を作成して提出する必要があります。
2.海外倉庫使用時の公認会計士の監査
海外倉庫使用時の営業収入調整について、営利事業所得税申告上、その調整額を認めてもらうためには、自社での棚卸などの対応に加えて、公認会計士による期末海外倉庫在庫に対する監査を受ける必要があります。海外倉庫使用時の申告要件は下表の通りです。
3.中区国税局の事例
台湾にあるA社は期末時点で外部に未販売であった海外倉庫在庫(輸出時の営業税上申告売上高5,000万台湾元超)を、営利事業所得税の申告において売上高から減算調整して申告しました。この際A社は、コスト削減の観点から公認会計士に棚卸立会を依頼せず、自社で棚卸を実施したのみでした。当該申告に対して国税局は、期末海外倉庫在庫に対する公認会計士による棚卸立会が行われていないとして売上高の減算調整を認めず、A社に追徴課税を行いました。
4.まとめ
海外倉庫を使用して販売する場合には営利事業所得税の申告要件を踏まえて、期末の海外在庫に対する現地または台湾の公認会計士への棚卸立会の依頼を忘れないようご留意ください。
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