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第181回 統一発票の発行漏れと取得漏れに関する処罰


ニュース その他分野 作成日:2020年6月3日_記事番号:T00090308

KPMG 分かる台湾会計

第181回 統一発票の発行漏れと取得漏れに関する処罰

 会社が営業を行う上で、統一発票(公式レシート)の発行や取得が必要になります。今回は統一発票の発行漏れと取得漏れに関する処罰について説明します。

1.統一発票の発行漏れと取得漏れ

 会社が商品販売や役務提供を行う時は、買手に対して統一発票を発行することが必要です。逆に商品の仕入時や、役務提供を受ける時には自らの会社の名称、住所および統一番号を明記した統一発票の取得が必要です。

 統一発票は営業税申告や営利事業所得税(法人税)申告の根拠になる証憑(しょうひょう)であり、発行漏れや取得漏れがあった場合には処罰されることになります。仮に商品販売時に統一発票の発行漏れがあり、さらにその商品の仕入時に統一発票の取得漏れがあった場合には、それが一連の仕入販売取引であったとしても、発行漏れと取得漏れは別々の違法行為としてそれぞれ処罰されます。

 国税局の事例を基に説明すると次の通りです。

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2.国税局の事例

 A社は2012年から14年までの商品販売について、税法規定に基づく統一発票を発行していませんでした。国税局の調査により判明した申告漏れ売上は1,000万台湾元であり、営業税の追加徴収額は50万元と査定され、加えて50万元の過料に処されました。A社は同一期間の物品仕入についても税法規定に基づく統一発票を取得しておらず40万元の過料に処され、当案件の過料の合計額は90万元となりました。

 A社はこの過料処分は一つの行為に二つの罰則を与えないという原則に違反しているとし、再審査を請求し訴願を提起しましたが棄却されました。その後行政訴訟を提起しましたが、最高行政法院(最高行政裁判所)により棄却され当案件の処分が確定しました。

 A社の統一発票の発行漏れと取得漏れはそれぞれ同一期間の仕入販売行為です。しかし、発行漏れと取得漏れは別々の違法行為であるとの判断により、それぞれの行為に処罰が与えられる結果となりました。

3.まとめ

 税法規定に基づく統一発票の発行と取得は義務ですので、発行漏れや取得漏れがあった場合には処罰されます。取引の一連の流れの中での統一発票の発行漏れと取得漏れであったとしても、それぞれは異なる違法行為であり、別々に処罰が与えられますのでご留意ください。

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