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第182回 販売奨励金の税務上の取り扱い


ニュース その他分野 作成日:2020年6月17日_記事番号:T00090578

KPMG 分かる台湾会計

第182回 販売奨励金の税務上の取り扱い

 会社が自社の商品をより多く販売してもらうために販売代理業者などへ支払うインセンティブとして、販売奨励金があります。一言に販売奨励金と言っても、その性質によって税務上の取り扱いが異なります。今回は販売奨励金の税務上の取り扱いについて説明します。

1.販売奨励金の税務上の取り扱い

 販売奨励金は台湾の税務上、その性質が役務提供の対価に該当するか否かによって取り扱いが異なります。

 販売促進のために販売代理業者などが提供したサービスの対価として販売奨励金を支払う場合、その性質は役務提供の対価であるものと考え、統一発票(公式レシート)を取得する必要があります。

 一方、販売代理契約に基づいて、例えば一定期間ごとの販売代理業者による仕入れ累計額の多寡に応じて販売奨励金を支払う場合、販売奨励金は役務提供の対価ではなく売り上げ値引きの性質を持つと考え、値引きなど証明書(進貨退出或折譲証明単)の取得が必要になります。

2.国税局の例示による説明

 台湾域内の電器製品供給業者A社は、製品の販売促進のための契約を販売流通業者B社と締結しています。この契約に基づきB社はA社製品を商品棚の目立つ位置に陳列するよう小売店へ働き掛ける、消費者への据え付けサービスを行うといった販売促進のためのサービスを提供しており、その製品販売額の一定比率が販売奨励金としてA社からB社へ支払われます。この場合の販売奨励金はB社による役務提供の対価であるため、A社は販売奨励金を支払う際にB社から統一発票を取得することが必要です。

 一方、A社は販売代理業者C社と販売代理契約を締結し、一定期間(例えば、月ごと、四半期ごと、年ごと)の仕入れ累計額に応じた販売奨励金をC社へ支払うことを約定しています。この場合の販売奨励金はA社では売り上げ値引き、C社では仕入れ値引きとして取り扱うことになり、A社はC社から値引きなど証明書を取得することが必要です。

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3.まとめ

 販売奨励金はその性質によって、統一発票と値引きなど証明書のどちらが必要になるか税務上の取り扱いが異なりますのでご留意ください。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
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