ニュース その他分野 作成日:2020年5月20日_記事番号:T00090052
KPMG 分かる台湾会計業務上で使用している固定資産は減価償却が必要です。残存価額を残して減価償却が完了した時点で帳簿上は耐用年数が終了したことになりますが、実務上はその後も継続して使用することがあり得ると思います。今回は耐用年数が経過した後も固定資産を継続して使用する場合の減価償却の税務上の取り扱いについて説明します。
1.減価償却の基礎数値
固定資産は定額法などの減価償却方法により、耐用年数にわたって減価償却します。減価償却に当たり耐用年数と残存価額を見積もることが必要です。
耐用年数とは固定資産の使用可能年数のことで、財政部公表の「固定資産耐用年数表」に規定されている年数よりも短くない年数で見積もる必要があります。
残存価額とは耐用年数経過後に残る固定資産の価値のことです。残存価額については過去、取得原価を「耐用年数+1年」で除した金額を残存価額とする税務規定がありました。当該規定は既に廃止されていますが、実務上はその名残でこの算定方法で見積もる事例も多く見受けられます。
2.当初の耐用年数経過後も継続して使用する場合
当初に見積もって設定した耐用年数が経過し、残存価額を残して減価償却が完了した固定資産をその後も継続して使用する場合、従来の減価償却方法で減価償却を継続して行うのが原則です。
当初設定した耐用年数が経過した時点で、以降の継続使用可能年数である耐用年数と、継続使用可能年数の後の残存価額を再度見積もり、その新しい耐用年数と残存価額に基づいて当初残存価額を減価償却することになります。定額法の数値例で説明すると次の通りです。
A社は購入した機械設備を定額法で減価償却しています。当初に見積もって設定した耐用年数の経過に伴い、当初見積残存価額100万台湾元を残して減価償却が完了しました。しかし、A社は今後も当該機械設備を継続して使用する予定です。A社は当該機械設備の今後の耐用年数を4年、継続使用後の残存価額を20万元と見積もっています。今後の継続使用期間の毎年の減価償却費は次の式より20万元になります。
3.まとめ
耐用年数経過後も固定資産を継続して使用する場合、財務会計上も、その経済的実態を反映するために減価償却を継続して行うのが原則ですのでご留意ください。
なお、「固定資産耐用年数表」の耐用年数経過前に廃棄する場合、税務上の廃棄損の計上には、税務機関への事前申請または会計士による廃棄証明が必要になりますので合わせてご留意ください。
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