ニュース その他分野 作成日:2020年4月1日_記事番号:T00089199
KPMG 分かる台湾会計会社の業務上、顧客の紹介や販売代理のためコミッション契約を締結することがあると思います。今回は営利事業所得税(法人税)申告における、コミッション費用に関する役務提供事実の認定について説明します。
1.役務提供の事実の証明
コミッション費用は、営利事業者が仲介者、代理人または販売代理業者に対し、製品またはサービスの紹介または代理販売について支払う報酬を指します。実際に役務を提供した事実があり、その役務提供の事実を証明する書類がそろっている場合にのみ税務上の損金算入が認められます。契約書や支払証明書類が形式的にそろっていても、実際の役務提供事実を証明することができなければ、損金算入が否認される可能性があります。
2.国税局の事例
A社は、B社との取引の仲介料として、C社に対するコミッション費用を計上し、営利事業所得税申告をしました。A社は役務提供事実の証拠として、C社とのコミッション契約書および振込証明書などを国税局へ提示しました。
しかし、コミッション契約書にはC社提供の仲介業務の内容およびA社・C社間で合意したコミッション料の計算方法が明記されておらず、また、A社からのコミッションは実際には海外第三者のD氏へ振り込まれており、A社はC社への支払証明書類を提示できませんでした。
加えて、C社とのコミッション契約の締結前からA社・B社の間には直接の業務取引がありました。
国税局の指摘のポイントをまとめると表の通りです。
これらの状況において、国税局は仲介役務の事実が認定できないと判断し、当該コミッション費用は損金算入が否認され、A社は追徴課税を受けました。
3.まとめ
コミッション費用の税務上の損金算入は、形式的に書類がそろっているのみでは認められず、役務提供の事実が証明できなければなりません。役務提供の事実が認定できないと判断された場合には、損金算入が否認される恐れがありますのでご留意ください。
本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。
KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
Mail: kojitomono@kpmg.com.tw
TEL: 886-2-8101-6666
友野浩司(内線06195)
横塚正樹(内線16991)
須磨亮介(内線17640)
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722