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第186回 棚卸資産の廃棄に関する税務上の取り扱い


ニュース その他分野 作成日:2020年8月19日_記事番号:T00091664

KPMG 分かる台湾会計

第186回 棚卸資産の廃棄に関する税務上の取り扱い

 会社が保有する商品、製品、原材料等の棚卸資産について、販売見込みがなくなった場合に廃棄処分をすることがあると思います。今回は棚卸資産を廃棄処分する際の税務上の取り扱いについて説明いたします。

1.税務上の廃棄事実の認定方法

 商品、製品、原材料等の棚卸資産について、陳腐化、期限切れ、品質劣化、破損等の原因のため廃棄処分をする場合、営利事業所得税(法人税)の申告において廃棄損を損金計上するためには、次の三つのいずれかの方法で廃棄事実の認定を受ける必要があります。

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 なお、生鮮品・農水産物に関係する商品、原材料、仕掛品等が、その性質または関連衛生法令の規定により、期限切れや品質劣化後に長期保存できない場合には、前述の方法のうち「会計士の立会監査を受けて廃棄証明書または廃棄の説明がされた税務監査報告書を取得する」を選択することになります。

2.国税局の事例による説明

 A社は営利事業所得税の申告において、商品廃棄損450万台湾元を計上しました。しかし、A社は廃棄処分において会計士による立会監査を受けておらず、管轄税務機関への申請もしておらず、事業主務機関の立会も受けていませんでした。A社は国税局に対して、商品在庫の販売が見込めないため自社で廃棄処分した旨を説明しましたが、定められた手続きによる廃棄事実の認定を受けていなかったため、商品廃棄損450万元全額の損金計上が否認されました。

3.まとめ

 棚卸資産の廃棄処分をご予定の場合には、必要な手続を認識し、事前に会計士や管轄税務機関へ相談する等の対応が必要ですのでご留意ください。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
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