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第191回 土地取引の営業税上の取り扱い/台湾


ニュース その他分野 作成日:2020年11月4日_記事番号:T00092953

KPMG 分かる台湾会計

第191回 土地取引の営業税上の取り扱い/台湾

 土地の売却取引は台湾の営業税法上で免税とされています。しかし、所有権登記との関係で営業税が課税される場合もあります。

 今回は土地売却取引の営業税上の取り扱いについて説明いたします。

1.土地取引の一般的な取り扱い

 台湾域内で物品の販売や役務の提供を行った場合には、営業税5%が課税され、売り手は買い手に対して課税の統一発票(公式レシート)を発行する必要があります。

 一方で通常、土地の売却取引については営業税が免税とされています。統一発票の発行は必要ですが、免税として発行します。

2.土地の所有権登記との関係

 民法の規定により、不動産物権を法律行為によって取得する場合には、登記をしなければ効力が生じないとされています。従って、土地を購入後、所有権移転登記が未了の状況においては、まだ「不動産所有権」を取得しているとはいえません。

 もしこの状況のまま当該土地を売却する場合は、売却対象は土地とはいえず、不動産移転登記請求権という債権の売却となります。債権の売却は営業税の課税取引であり、5%の営業税が課されます。

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3.国税局の指摘事例

 不動産売買業を営むA社は、B社から15戸の不動産を購入し、C社へ売却しました。A社は当該取引は営業税の免税対象である土地の売却であるとして、統一発票を発行せず、営業税の申告も行っていませんでした。

 しかし、当該土地はC社への売却時点においてA社による所有権移転登記がなされていなかったため、営業税の課税対象である不動産移転登記請求権の売却であるとして、国税局の調査により営業税法違反として追徴課税を受けました。

4.まとめ

 土地の売却については原則として営業税は免税とされていますが、所有権登記が未了である場合には土地とは認定されず営業税5%の課税対象になります。

 売却時点で所有権移転登記が完了しているかによって営業税の取り扱いが異なりますので留意ください。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
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