ニュース その他分野 作成日:2020年9月16日_記事番号:T00092135
KPMG 分かる台湾会計海外への輸出取引では、予期せぬ損失を被ることがあるかと思います。輸出取引における損失を税務上で損金計上するには、税法で定められた証明書類が必要です。今回は輸出取引における損失の税務上の取り扱いについて説明します。
1.輸出取引における損失の損金計上
輸出取引において発生した輸出損失、例えば、▽売買契約の解除や変更による損失または売り上げ減少▽違約による賠償▽不可抗力の事故による損失▽輸送中に発生した損失──については、事実を証明する書類を添付して営利事業所得税(法人税)の申告を行い、事実であると認められた場合に損金計上が認められます。
2.事実の証明書類
事実の証明には、▽売買契約書(購買条件および損失帰属を記載)▽海外の輸入業者からの損害賠償請求書類▽海外の公証機関または検査機関が発行した証明書類──などが必要です。
加えて賠償において、外貨を支払う場合には銀行の為替取組証明書類や振替証明書類など、台湾元を支払う場合には海外の輸入業者が発行した領収書、輸出物品の補塡(ほてん)、取り換えによる賠償では輸出通関書類または国際荷物運送領収書のコピーが必要となります。
外貨収入の減額による賠償の場合も、減額により賠償した事実を証明する書類が必要です。なお、輸出損失額が1件当たり90万台湾元以下の場合は、海外の公証機関または検査機関が発行した証明書類の提出は免除されます。
3.国税局の事例による説明
台湾域内のA社は営利事業所得税の申告において、その他損失500万元を計上しました。A社は、当該損失は商品の売掛金を減額して相殺した、輸出商品の瑕疵(かし)の賠償金であり、性質は輸出損失であると主張しました。しかし、A社は海外の公証機関または検査機関が発行した証明書類および損害賠償請求書類を準備しておらず、A社に損失の負担義務があることを国税局に対して証明できませんでした。その結果、損失500万元の損金計上は認められず、追徴課税されることになりました。
4.まとめ
営利事業所得税申告において輸出損失を損金計上するためには、事実を証明できる書類を準備することが必要です。輸出取引で損失が発生した際にはご留意ください。
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