ニュース その他分野 作成日:2020年10月21日_記事番号:T00092715
KPMG 分かる台湾会計前回、輸出コミッションに対する国税局の注目点として金額多寡や変動について説明しました。(「輸出コミッションに対する国税局の観点」https://www.ys-consulting.com.tw/news/92510.html)今回は別の視点で、コミッションの支払先に関する注意点を国税局提示の事例を用いて説明します。
1.コミッションの支払先
コミッション費用を税務上で損金計上するためには、契約書や支払証明書類などの形式的な書類を準備しておくだけでなく、実際に仲介役務が提供された事実とその合理性が証明できなければなりません。仲介役務提供の事実と合理性の有無の判断においては、コミッションの支払い相手が誰であるかも判断材料の一つになります。
台湾の税法上、特にコミッションの支払い相手が次の者である場合には、コミッション費用を税務上で損金計上することは認められません。
これらの支払先は売買取引の当事者になります。従って、会社のために販売の機会を提供する、または販売を媒介する、という民法上の「仲介」役務を提供するとは考えられません。すなわち、仲介役務提供の事実と合理性がないと判断されます。
2.国税局の事例
台湾A社は個人B氏を通じて香港C社へ物品を販売したとして、B氏に対してコミッション1,200万台湾元(約4,400万円)を支払い、当該コミッション費用を税務上で損金計上しました。
国税局が調査したところ、B氏はC社の従業員で、A社に対する商品の注文担当者であることが判明しました。A社は契約書や支払証明書類が存在することを理由にコミッション費用の損金計上を主張しました。しかし、B氏は第三者の立場になく、B氏の行為の法的効果は雇用主のC社に直接帰属するものであり、B氏が仲介役務を提供する合理性および役務提供の事実はないものと判断されました。結果、コミッション費用の損金計上は否認され、追徴課税されました。
3.まとめ
コミッション費用を税務上で損金計上するためには、仲介役務を提供した事実と合理性が証明できなければなりません。国税局はコミッションの支払先によっても、仲介役務提供の事実と合理性の有無を判断しますのでご留意ください。
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