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第49回 歴史ある新しい商社?ボトル入り烏龍茶タイトティー


ニュース 食品 作成日:2020年8月20日_記事番号:T00091686

台湾産業ココがスゴイ

第49回 歴史ある新しい商社?ボトル入り烏龍茶タイトティー

 カラフルなキャップ付きのボトル入り冷蔵茶飲料「TAIT TEA(タイトティー)」が日本の女性の間で人気です。雑誌でも取り上げられ、「次の台湾旅行ではこれが買いたい」と東京在住の友人からLINE(ライン)で写真が届きましたが、すっかり忘れていたある日、1845年に台南で設立されたイギリスの貿易商について取材していると「うちの商品です」と言われてビックリ。一体どういうことなのでしょうか。

/date/2020/08/20/20tea1_2.jpg烏龍茶(左)と烏龍鮮緑茶(右)。キャップは通常8色、季節限定の色もあります(YSN)

茶葉でいれた味わい

 台南旅行で榕樹(ガジュマル)に覆われた廃虚「安平樹屋」を観光した際に、隣にある白い外観の建物「英商徳記洋行」を訪れました。館内の説明を読むと、英商徳記洋行は1845年に誕生したイギリスの貿易商で、茶葉や砂糖や塩の売買を行っていましたが、その後いろいろあって、2008年に食品最大手、統一企業(ユニプレジデント・エンタープライゼズ)が買収したと記載があります。現存する会社なのだと興味が湧き、徳記洋行に電話してみました。

/date/2020/08/20/20deji_2.jpg英商徳記洋行(YSN)

 すると、今は輸入品の販売代理だけでなく、プライベートブランド(PB、自社ブランド)も展開しており、一番のお薦めと言われたのが、友人が欲しがっていたボトル入り冷蔵茶飲料「TAIT TEA」の烏龍(ウーロン)茶と烏龍鮮緑茶(320ミリリットル入り、49台湾元=約180円)でした。期限がわずか16日と、一般の飲料の1年間と比べて短いですが、茶葉でいれたお茶に近い味わいとのこと。

 175年前の貿易商を調べていたはずが流行商品を薦められるとは。統一超商(プレジデント・チェーンストア)が展開するコンビニエンスストア、セブン-イレブンで購入、早速飲んでみました。

 「TAIT TEA」の烏龍茶は、茶葉販売のお店や茶芸館で入れてもらったお茶のように、しっかりした味がしました。一方、「TAIT TEA」の烏龍鮮緑茶はすっきりした味わい。緑茶が入っていたせいか、子供の頃に水筒に詰めてもらって遠足で飲んだお茶を思い出しました。水筒といえば、「TAIT TEA」は大きなキャップ付きで、コップ代わりにもなります。子供や、ペットボトルに口をつけて飲むのが苦手な方に便利そう。

/date/2020/08/20/20tea2_2.jpgキャップは開けやすく、飲み口は大きくて飲みやすくなっています(YSN)

 徳記洋行によると、烏龍茶は台湾の四季春烏龍を使用、烏龍鮮緑茶は緑茶に四季春包種茶を加えています。ぱっと見分けが付かないと思いきや、黄色い文字でTAIT TEAと書かれているのが烏龍茶、緑の文字が烏龍鮮緑茶で、キャップのデザインも異なります。烏龍茶のキャップは水の波紋で、徳記洋行が海を越えてやってきた歴史の軌跡を表しています。一方、烏龍鮮緑茶はおしゃれなダイヤ模様。

 ボトルの外観はシーズンごとに違うイラストが描かれていて「インスタ映え」すると、日本人女性に人気があると徳記洋行の方に教えられました。

 ちなみに2020年夏バージョンは、熱気球とパラグライダーが描かれています。7月11日から8月30日まで、台東県の鹿野高台で台湾国際熱気球フェスティバル(台湾国際バルーンフェスティバル)が開催中なので、台東県での売れ行きが非常に良いそうです。

日韓タイ食品の輸入販売も

 徳記洋行は、自社ブランドでほかに、ペットボトル飲料の「開喜」や、コンビニスイーツの「優菓甜坊(ユニデザート)」などを展開しています。輸入品の販売代理では、森永製菓の「ハイチュウ」や「ミルクキャラメルモナカ」、タイの即席麺「Mama」などを取り扱っています。

 どおりで近年、セブン-イレブンで、日本をはじめ海外商品が豊富なわけです。今年は新型コロナウイルスで一時帰国や海外旅行が難しい状況が続く中、日本食品が簡単に手に入るのはありがたく、海外の食品が気軽に購入できるのは楽しいですね。

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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