ニュース その他分野 作成日:2020年5月5日_記事番号:T00089793
月間5大ニュース【1位】《新型肺炎》新型コロナ、域内感染23日連続ゼロ
新型コロナウイルスの台湾での域内感染確認は4月12日に55人目が確認されて以降、5月5日まで23日連続でゼロを記録しており、収束に向かっているもようだ。一方、パラオ親善訪問から帰還し下船していた海軍の敦睦遠航訓練支隊での集団感染が18日確認され、立ち寄り先の商業施設が休業するなど緊張感が高まったが、海軍関係者から市民への感染は確認されなかった。中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は、手洗い・マスク着用など個人の感染予防対策が徹底されていると認められれば、6月にも規制措置を緩和し、消費刺激策を始動できるとの見通しを示した。当面の感染拡大を抑え込んだ台湾にとって、これまで犠牲を強いられてきた域内経済の活性化が次の課題となる。
敦睦遠航訓練支隊では、隔離解除前のウイルス検査で、新たに5人の感染が確認された(在パラオ大使館リリースより)
清明節連休(4月2~5日)を前に、域内感染拡大への警戒から社会的距離(ソーシャルディスタンス)が導入された他、公共交通機関でのマスク着用全面義務化、キャバクラ・舞踏ホールの営業停止、観光地の総量規制、警報メールやアプリを活用した混雑地以外への誘導など、規制や対策が強化されており、市民生活や経済活動への影響が続いている。
こうした規制や対策の効果からか、4月の新たな域内感染確認は9人にとどまった。海外で感染したとみられる輸入症例も3月下旬のピークを過ぎた後、4月前半に64人が確認されていたものの、4月後半は3人の確認にとどまった。
輸入症例、海軍の集団感染を合わせた6日連続の新規感染確認ゼロをスイカで祝った(1日=中央社)
5月5日時点の感染確認者は累計438人(うち死亡6人)で、このうち輸入症例が347人、域内感染が55人、海軍での集団感染が36人となっている。
【2位】KTV火災で6人死亡、消防法違反の「人災」
台北市中山区の歓楽街、林森北路にあるカラオケボックス(KTV)、銭櫃企業(キャッシュボックス・パーティーワールド)台北林森店で26日、火災が発生し、6人が死亡、48人がけがをする大惨事となった。当時エレベーター増設工事を行っており、工事用器材のバッテリーから出火したとみられる。工事中、消防法に違反してスプリンクラーなどの主要な消防用設備の電源が切られていたことが判明し、「人災」と批判が集中した。
台北林森店。台北市政府の消防検査に不備があったと指摘されている(中央社)
火災後の消防検査で、台北南京店など5店舗で違法項目が見つかり、営業停止が命じられた。同社は28日、謝罪会見を開き、全17店舗の1週間の営業休止を発表した。遺族に1人当たり100万台湾元(約360万円)の慰問金を追加し、負傷者の医療費を全額負担すると表明した。
他の娯楽施設でも消防検査が行われ、30日までに▽台北市、KTV3店・映画館10軒▽台中市、KTV1店──が営業停止を命じられた。
【3位】《新型肺炎》マスク海外寄贈1700万枚、個人も支援可能に
蔡英文総統は1日、新型コロナウイルス感染症の流行が深刻な国・地域を支援するため、医療用マスクを寄贈すると発表した。日本200万枚をはじめ40以上の国・地域の医療関係者に1,700万枚以上と、台湾のマスク日産能力に相当する規模を寄贈した。27日には、個人の実名制(本人確認)販売の割り当てを海外への寄贈に充てられる制度を導入し、市民参加を実現。5月4日までに46万人が同意し、マスク370万枚が海外に寄贈されることになった。
蔡総統は、台湾はマスク輸入国から世界2位のマスク生産国へと転換し、域内需要に十分応えられるだけでなく、世界を支援できると訴えた(中央社)
台湾政府の寄贈先は▽米国、340万枚▽カナダ、50万枚▽欧州連合(EU)、700万枚▽ローマ教皇庁(バチカン)、48万枚(アフリカに10万枚)▽東南アジア、100万枚▽友好国、100万枚──など。
マスクを受け取った国・地域からは謝意が相次いだ。日米など6カ国は世界保健機関(WHO)に対し、5月18日の年次総会、世界保健総会(WHA)への台湾のオブザーバー参加を支持する書簡を送ったとされる。
【4位】《新型肺炎》無観客でプロ野球開幕、楽天桃猿は順調なスタート
新型コロナウイルスによる混乱が広がる中、台湾プロ野球リーグ、中華職棒球大聯盟(CPBL)は12日、無観客で開幕した。当初予定の3月14日から数度の延期を経たものの、日本や米国などが開幕を見合わせる中、「世界最速」の開幕となった。
三木谷浩史会長兼社長の顔写真パネルも登場した(三木谷氏ツイッターより)
昨年台湾シリーズ3連覇を達成したLamigo桃猿(ラミゴ・モンキーズ)を楽天が買収して誕生した楽天桃猿(楽天モンキーズ)は、川田喜則ゼネラルマネージャーの発案でファン自身の顔写真パネルやマネキンを無観客のスタンドに設置し、話題を集めた。楽天モンキーズは開幕から7連勝し、5月5日現在首位と、順調なスタートを切った。
域内の感染拡大の鈍化を受け、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は5月3日、観客入場を認める方針を示しており、早ければ5月中旬に実現する見通しだ。
【5位】香港で閉鎖の「銅鑼湾書店」、台湾で復活
香港で中国共産党体制を批判する書籍の出版、販売を続け、2015年に店長の林栄基氏らが中国に拉致され、閉鎖に追い込まれた「銅鑼湾書店」が25日、台北市中山区で復活を遂げた。開店当日、内外のメディアや市民が多数詰め掛けた他、蔡英文総統が花かごを送り、游錫堃立法院長らが祝賀のために来店した。林店長は、「香港ではできないことも、自由な台湾なら続けていける」と述べた。
林店長(右1)は、書籍を理解し、客と交流してこそ意義があると語った(中央社)
営業開始は予定通り行われたものの、それまでの道のりは平たんではなかった。20日に「銅鑼湾書店」という社名が既に他人に登記されており、店名の使用をやめなければ賠償を請求するという内容の文書が届いたり、21日には林店長が突然赤いペンキを掛けられる事件が発生したりした。
林店長は18年にも、同店を西門町で再開する計画だったが断念。中国の圧力で、支援者が出資を引き揚げたためと語っていた。
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