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20年5月の5大ニュース


ニュース その他分野 作成日:2020年6月3日_記事番号:T00090304

月間5大ニュース

20年5月の5大ニュース

【1位】5月の域内感染ゼロ、6月7日に大幅緩和

 新型コロナウイルスの台湾域内感染は5月に1人も確認されず、4月13日から6月3日まで52日連続でゼロを記録した。中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は5月8日、感染対策を取りつつ市民生活と経済活動を正常化に向かわせる「防疫新生活」指針を公表した。プロ野球今シーズン初の観客試合が8日、世界に先駆けて実現したほか、公共施設の利用、コンサートなど芸術文化活動の制限緩和、キャバクラなど特殊産業の営業再開が進んだ。域内感染ゼロが8週間(潜伏期間14日間の4倍)に当たる6月7日まで続けば、各種活動の制限が大幅緩和され、正常化がさらに進むことになる。

/date/2020/06/03/20chen_2.jpg各訪問先で大人気の陳衛福部長(前左)と盧秀燕台中市長。前日の台南訪問が非常に混雑したこともあり、防疫の観点から台中での街歩きは諦めざるを得なかった(31日=中央社)

 感染対策を率いる陳時中衛生福利部(衛福部)長は、23日から台湾本島最南端のリゾート地、墾丁(屏東県)を訪れたのを皮切りに、▽新竹市▽桃園市▽台南市▽台中市──を訪れ、「防疫新生活」での観光を実践。打撃を受けた観光地のため特産品のアピールにも努めた。27日に域内団体旅行振興モデル事業「防疫旅行」がスタート、7月1日に市民向けの域内旅行補助プラン「安心旅行」が始まる予定だ。

 台湾での5月の新規感染確認は、海外からの帰台者8人と海軍の敦睦遠航訓練支隊の集団感染5人のみだった。死者は1人増え、7人となった。6月3日時点での感染確認者は累計443人。これまでに428人が隔離を解除され、隔離治療中の感染者は8人となった。

【2位】蔡総統2期目就任、改憲議論で中台関係悪化も

 蔡英文総統が20日、2期目に就任した。就任演説では、両岸(中台)関係について一国二制度を拒絶しつつ、中国に対し関係改善に向けた対話を重ねて呼び掛けた一方、憲法改正議論を進める考えを示した。国号変更などに踏み込み、「法理台独」(法理上の台湾独立)を目指すとの見方もある。中国側は武力行使を示唆するなど強い反発を見せており、民進党政権発足以来冷え込んでいる中台関係がさらに悪化する可能性がある。

/date/2020/06/03/20tsai_2.jpg就任式での蔡総統。経済面では新型コロナウイルス感染症流行収束後の経済振興策や、米中貿易戦争の打撃緩和などが課題だ(総統府リリースより)

 2期目就任に当たり、ポンペオ米国務長官や菅義偉官房長官が祝意を示した。

 18~19日開催の世界保健機関(WHO)の年次総会、世界保健総会(WHA)についても、新型コロナウイルス感染対策の成功を理由に、米国や欧州、日本などから台湾のオブザーバー参加を支持する声が相次いだが、4年連続で参加は認められなかった。

【3位】TSMCが米国に新工場計画、24年に5ナノ量産へ

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は15日、米アリゾナ州に5ナノメートル製造プロセス新工場を設置すると発表した。2021年に着工、24年に量産開始予定。月産能力2万枚。29年までの設備投資額は120億米ドル。

 米中貿易戦争が長引く中、米国政府は、安全保障上の観点や新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーン断絶への懸念から、台湾や韓国などアジアへの依存度を引き下げ、安定した半導体供給を確保する狙いがあるようだ。

【4位】誠品1号店が閉店、5万人が別れを惜しむ

 世界で初めて書店として24時間営業を始めた誠品書店(エスライト・ブックストア)の敦南店(台北市大安区)が31日、営業を終了した。1989年の開業以来、▽著名人による講座やイベント▽演劇公演▽野外ライブ▽手工品販売──など、これまでになかった試みで、文化の発信基地の役割を担ってきた。最終日には、青春時代を共に過ごした市民など延べ5万人が訪れ、別れを惜しんだ。

/date/2020/06/03/20eslite_2.jpg「敦南誠品、私の青春」など来店客による手書きのメッセージが店内の至る所に飾られた(31日=中央社)

 敦南店は、95年に現在の場所に移転し、99年に24時間営業を開始した。日本でも公開された台湾映画『一頁台北(邦題・台北の朝、僕は恋をする)』(10年公開、陳駿霖監督)のロケ地ともなり、日本など外国人観光客の人気スポットにもなった。

 信義店が24時間営業を引き継いだ。

【5位】姦通罪廃止、大法官の違憲判断で

 既婚者が配偶者以外と性的関係を結ぶことを罰する刑法の姦通(かんつう)罪を違憲とする司法院大法官会議(憲法裁判所に相当)の解釈が29日に示され、同罪は即日廃止された。姦通罪の廃止を支持していた裁判官は、感情は刑法で裁くものでないと歓迎した。欧州や中国、日本、韓国でも既に廃止されており、「時代錯誤」、「既婚男性の浮気相手の女性だけを訴えるケースが多く両性の平等に反する」など議論が続いていた。

/date/2020/06/03/20law_2.jpg民間団体からは、廃止を歓迎する声がある一方、不倫で涙する女性が増えると懸念する声も上がった(29日=中央社)

 大法官会議は「国家権力が婚姻関係に介入することは比例原則(憲法23条)にそぐわない」「性の自主権は個人の自主決定権の一環で、基本的人権(憲法22条)に当たる」などと説明した。

 刑法239条は既婚者が配偶者以外と性的関係を結んだ場合、浮気相手を含めて1年以下の懲役に処すると定めていた。姦通罪だけで服役していた受刑者5人は29日に釈放された。

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