ニュース 法律 作成日:2021年11月10日_記事番号:T00099461
産業時事の法律講座日出印象国際は、2013年9月に三麗鴎(サンリオ)とライセンス契約を締結、日出は台北、高雄、台中でそれぞれ「百変Hello Kitty 40週年限定特展」を開催し、Hello Kittyライセンス商品(以下「商品」)を販売することとなりました。しかし日出が契約に違反、ライセンス図案を凱蒂創意に対してサブライセンスしたため、サンリオは同契約を解約しました。日出はその損失を補填(ほてん)するため、商品を震翰実業に転売、商品は特売会で販売されました。
この事実を知ったサンリオは台北地方法院(地方裁判所)に訴訟を提起し、次のような要求をしました。
1.商品の製造、出荷数、希望小売価格を説明した報告書の提出
2.ライセンスシールおよび商品の取引にかかる会計帳簿、会計レポートの提出、サンリオによる工場検査の許可
3.現存するライセンスシール(以下「シール」)および商品をサンリオに渡して破棄すること
4.賠償金1,500万台湾元(約6,100万円)の支払い
違約金は希望小売価格が基準
第一審裁判所は18年6月、1~3項についてのみ認めたため、双方はこれを控訴、第二審の知的財産法院(知的財産裁判所、現・知的財産および商業法院)は20年4月、次のように認定し一審判決を維持したほか、568万元の損害賠償も認めました。
1.ライセンス契約にある違約金の計算は、ライセンスシールの価格ではなく、ライセンス商品の希望小売価格を基準としている。つまり違約金は、日出が契約違反して商品を製造、販売、散布する行為に対する処罰、またサンリオの損害補填のためでもある。
2.日出は、透明ポーチについてはシール1,200枚を申請しライセンスフィーを支払ったが、実際には40件しか売れなかった。また日出は透明ポーチの在庫はないとしていることから、未販売の1,160個については震翰実業に譲渡、散布されたことが証明できる。
3.同ポーチの希望小売価格は980元、また契約では違約金は違約数量に希望小売価格の10倍を掛けると1,136万8,000元(980×10×1,160)になるが、契約が事前解約されたこと、日出は既に2,000万元でシールを購入していること、そのうち1,800万元部分は使用していないこと、などを考慮し、違約金は568万元とする。
日出はこれを上告しましたが、最高法院(最高裁判所)は21年8月、未使用のシールと商品は日出が破棄すべきか、サンリオがすべきかについては疑問が残るとした以外は、原判決を維持しました。
徐宏昇弁護士
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