記事番号:T00002126
●前回のあらすじ
PPM での相対市場占有率の境界線1.0倍に自社が位置していた場合、自社を除く1位の企業と市場シェアが同率となります。
PPM の左側はシェア1位を表し、市場における競争力で雲泥の差が生じ、数々の恩恵が受けられます。
●先週のなぞなぞ
なぜ、プロダクトポートフォリオでは、「相対市場シェア2.0倍」のところに点線を引くのでしょうか?
●独占優位のポジション
相対市場シェアが2.0倍ということは、「2位の企業とのシェアが2倍」ということを表します。
では、なぜ「2位企業とシェアが2倍」が大切なのでしょう?
一般的に「競合との市場シェアの差が2倍以上あれば、下位の企業は上位企業との競争意欲が弱くなる」といわれています。
例えばある業界の市場シェアがA社40%、B社20%、C社10%であったとします。
そうするとB社はA社とは差がありすぎて、「A社に果敢に挑戦しよう」という意欲より「仲良くした方が得」という意識が芽生えます。
皆さんも子供の頃嫌な同級生がいたとしても、自分に比べ相手があまりにも強そうな場合は(ex.ドラえもんののび太とジャイアンのような場合)「けんかするより仲良くした方が良さそう」と考えたはずです。
つまり競合との市場シェアが2倍以上になるということは、「激しい競争が起こりにくい安定した状態」なのです。
●PPMの3つのゾーン
PPM の下半分は相対市場シェア2.0倍、1.0倍の二つの縦軸により「2.0倍以上」「1.0~2.0倍」「1.0倍未満」の三つのゾーンに分けられます。
つまりPPMの横軸において、一番有利なポジションは「競合との差が2倍以上の圧倒的1位」、次に有利なポジションは「シェア1位」、最後に「シェア2位以下」と3つのゾーンに分けて考えるのです。
● 世間に投げかけたおまじない戦略術?
一昔前、「2枚!2倍!」と、どこかのお相撲さんのキャッチフレーズとなったCMがありました(ちなみに私はこのモノマネが得意です)。
これは、もしかすると単なる製品宣伝だけでなく「市場シェア獲得を意識した、もっと深~い意味があったのではなかろうか?」と考えてしまいます。
これって私の思考が「戦略」ではなく「浅略」である証拠でしょうか?
●今週のなぞなぞ
さて、プロダクトポートフォリオでは「相対市場シェア2.0倍」のところに点線が引かれていますが、なぜ2.0倍のところで点線を引くのでしょうか?
ワイズコンサルティング 手塚理奈子