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労務コンサルタントの
事件簿60「社員旅行の有給休暇
使用の強制は違法?」


コラム 人事労務 作成日:2022年10月7日

労務コンサルタントの事件簿

労務コンサルタントの
事件簿60「社員旅行の有給休暇
使用の強制は違法?」

記事番号:T00109258

 台湾国内のコロナ規制緩和に伴い、社員旅行を検討し始めている企業も多いでしょう。さて、下記では、金曜日から土曜日にかけて社員旅行を実施した会社の事例を紹介します。

蔡副理:総経理、大変です。労働局から連絡があり、社員からの通報があったとのことです。
長村総経理:なんだと!
蔡副理:先月の社員旅行について、金曜日は有給休暇として処理したことで労基法違反を訴えられています。
長村総経理:会社の福利厚生として旅行費用を負担しているのだから、有給休暇を使って当然でしょ!会社を訴えるなんて、この恩知らず!
蔡副理:労働局によると、旅行参加が強制の場合は出勤として扱わなければなりません。従って、有給休暇として扱うことはできないとのことです。
長村総経理:法律上は確かにそうだけど、これまで異議を唱えた社員はいなかっただろう?
蔡副理:そうですね。直接労工局に告発するのではなく、まず会社に相談して欲しかったですね。

◉解説
 台湾の労働基準法(労基法)上、労働者に有給休暇の取得を促すことは可能ですが、強制することはできません。従って、社員旅行への参加が強制の場合、有給休暇として扱うことは強制的に有給休暇を消化させているのと同然ですので、法律違反にあたります。
 但し、社員旅行の日は通常勤務よりも提供できる労務は限られる(労務を提供していない)ため、当日の賃金に関しては社員と協議のうえで別途取り決めることを可能としています。
 しかしながら、減給となると社員はな
かなか首を縦に振ってくれませんので、現実的には不可能に近いでしょう。
 そこで、それを唯一可能にできる方法として、弊社では入社時の労働契約に盛り込んでおく方法をご提案しております!あらかじめ社員旅行の賃金(例:半額支給)について同意を得た上で入社してもらうので、トラブルに発展する可能性はかなり低減されるでしょう。また、当日の賃金が減るのであれば、有給休暇の消化を促す効果も期待できます。
 若しくは社員旅行への参加を任意とし、有給休暇使用をこの福利厚生を享受する条件とすることで有給休暇を強制的に消化させる方法もよく見られる手段です。
 更に詳しい相談を希望される方は、是非労務顧問会員サービスをご利用下さい!

 

 

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