記事番号:T00002399
●前回のあらすじ
PPMの下半分は相対市場シェア2.0倍、1.0倍の2つの縦軸により、3つのゾーン(1)「2.0倍以上」(2)「1.0~2.0倍」(3)「1.0倍以下」に分かれ、一番有利なポジションも同順位となります。
そしてシェア2倍以上のポジションに位置すると、「激しい競争が起こりにくい安定した状態」を得られます。
●おわび
前回のコラム8月16日掲載「今週のなぞなぞ」に誤記がございました。ここにおわび申し上げます。
● 先週のなぞなぞ(改定)
PPMでは「相対市場シェア2.0倍」からの点線が、「市場成長率10%のところで終わっているのは、なぜでしょうか?
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●PPMの左上
PPMの上半分は、市場成長率が高いので、市場が成長期にあるといえます。
本コラムの第3回でご紹介したように、事業(製品)が市場成長期にある場合、おいしい市場ですので新規参入による競合が増加し、厳しい競争を強いられます。
また市場の成長率も高いので、例えシェア1位であっても市場シェアを維持するためには、経営資源を投入し続ける必要があります。
市場の成長は続いていますから、まだまだシェア確保のチャンスが自他ともにあり、相対市場シェアが2倍以上でも安心していられません。
ですから左下のゾーン(市場の成長率が低く、シェアが1位)の成熟している市場では相対市場シェア2倍というのは重要な意味を持ちましたが、左上に関してはあまり重要な意味とはいえないのです。
●デブの大食いVSヤセの大食い
相対市場シェア1.0倍を境界に、左に位置していれば、高い(デブ)市場シェアを占め、右に位置すれば低い(ヤセ)シェアを占めていることになります。
資源の投資(食事)は不可欠ですから、早く、デブに育て上げた者が勝ち残れるんですね。
やはり、「デブの大食い」って理にかなっているんですね!
●今週のなぞなぞ
今までご紹介してきた通り、PPMでは「市場成長率」と「相対市場シェア」により各事業(製品)のポジショニングが決まります。
しかし、経営資源の分配を決定するには2種類の物差しでは不足ですので、各事業(製品)の売上高を盛り込みたいと考えました。
マトリックスは2次元ですが、3つ目の物差しである「各事業(製品)の売上高」はどう表せば良いでしょう。