記事番号:T00109256
来年(2023年度)の政府行政機関業務カレンダーでは、連休のための調整休日(弾性放假)が多く設けられているため、土曜日の振替出勤が多いです。同カレンダーは公務員のみが適用対象となりますが、民間企業でもこれに従って会社カレンダーを決定していることも少なくありません。
今回は休日の振替においてよくあるトラブル事例を紹介しております!
◉事例
新入社員:管理部長、今月土曜日出勤しましたが、休日出勤の割増賃金が支払われていないようです。ご確認いただけますか?
管理部長:先月の連休で調整休日があったから土曜日はその振替出勤日で割増賃金はでませんよ。
新入社員:私は今月入社しましたので、先月の調整休日を取得していません。労働契約で約束している労働時間よりも多く出勤しているのに割増賃金はでないのはおかしいと思います。
管理部長:ごもっともだが、会社のカレンダーに従うことは労働契約でも約束しているから理解してくれるかな?
新入社員:そしたらその日は本来法的に出勤義務はないはずですので、代休を1日いただけないでしょうか。
管理部長:そうだな…(こういう時はどの対応したらよいのか…)
◉解説
実は本ケースにおいて、会社は割増賃金や代休を与える必要はありません。会社が法的手順(労使会議の同意を得て八週間変形労働時間制を導入)を経て政府行政機関の業務カレンダーを適用している場合、土曜日の振替出勤日は通常の出勤日となる為、従業員は通常通りに出勤しなければなりません。つまり調整休日を取得していないことを理由に振替出勤を拒否したり、休日出勤手当を請求することはできないのです。ただ、実務上は揉めることが多い為、不要なトラブルを回避する為にも入社時にあらかじめ説明をしておくことをお薦めしております。
また、逆に振替休日後、振替出勤前に退職した場合においても、同じ理由でその分の賃金を返金させることはできませんので、その点特にご留意下さい。
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