記事番号:T00128290
皆様の時間を「ビジネスのヒント」へ。本コラムはワイズ独自調査からデータに隠された台湾市場のリアルを読み解きます。
第4回は、在台日系製造業における「エンジニアリング会社の利用実態」と、その意思決定構造を客観的データに基づき解説します 。
エンジニアリング会社選定における「日系志向」の現状
在台日系製造業において、設備の導入や保守を担うパートナーの選定は、工場の稼働体制に関わる重要な検討事項です。弊社の調査によると、設備導入時にエンジニアリング会社を「利用している」と回答した日系企業は48%を占めています。
エンジニアリング会社を利用している企業に対し、依頼先の属性を尋ねたところ(複数回答)、選定先として「日系企業」を挙げた割合は80%に達しました。一方で「ローカル企業」を挙げた企業も40%存在しています。この数値は、既存設備との適合性を考慮して日系パートナーを軸としつつ、コスト面や迅速な現地対応といった目的に応じて現地企業を使い分けている実態を示唆しています 。
経営層が最終判断を担う「意思決定の分担」
設備導入のプロセスを分析すると、要望の75%は現場から上がりますが、最終的な予算承認は81%のケースで「取締役・経営層」が担っています。また、情報収集の手段については、71%が「メーカーの公式サイト」を活用しており、次いで「展示会・見本市」が54%となっています。デジタル上の公開情報を端緒としつつ、最終的には経営層による判断が下されている実態が伺えます 。

経営へのヒント:台湾産業の進化に合わせた「体制」の再検討
多くの在台日系企業が「仕様の継続性」を重視してパートナーを選定している動向が見えます。現在、台湾では電子・半導体産業のさらなる発展に伴い、サプライチェーン全体に高度な柔軟性とコスト競争力が求められています。これからの工場改造や新設に向け、判断時の検討材料の一環として、以下の方向性が考えられます。
1.選定基準の明確化:品質維持が不可欠な基幹工程は「日系」、保守性やコスト効率を重視する付帯設備は「現地企業」など、工程の重要度に応じた選定基準の切り分け。
2.情報の多角的な活用:公式サイト等の公開情報に加え、台湾独自の施工実績や業界内の他社事例など、現場報告以外の客観的な生きたトレンドを決裁判断の材料とすること。
3.投資対効果の共通言語化:要望を出す現場、検討を担う技術部門、最終判断を行う経営層の間で、市場環境の変化に即した共通の評価指標を持つこと。
こうした視点から自社の現状を再点検し、台湾市場に最適化された設備導入体制を構築することが、中長期的な拠点運営の安定に繋がります。
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