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第1回 経営資源の分配 その1


コラム 経営 作成日:2007年7月12日

第1回 経営資源の分配 その1

記事番号:T00001460

 
ワイズコンサルティングの手塚理奈子と申します。

 業務上、日系企業の経営者の方々とお会いする機会が多く、さまざまな経営課題をお伺いします。皆さまの経営課題の解決に少しでもお役に立てればと、日々奮闘しています。

 「理奈子のなぞなぞ経営学」では、MBAなどで学ぶ「フレームワーク」を、わかりやすくご紹介をしていく予定です。よろしくお願い致します。

●B事業部長の不満

 先日、某社を訪問した時のことでした。

総経理「今年の夏期賞与、どう分配しようか困っているんだ。昨年の年末賞与で、B事業部長から不満があってさ~」

 その時の様子を伺ってみました…

B事業部長「どうして、C事業部の営業利益はわが事業部より少ないのに、一人当りの賞与予算は3つの事業部全て同額になるんですか?我々は支出も抑え、努力して利益を捻出したのに…成果を無視しています!」

総経理「そうだね。だけど思い出してごらん。君の事業部だって、以前はC事業部と似たような状況ではなかったかね?」

B事業部長「えっ、それは…そうですけど、今では全社利益の80%はB事業部で稼いでいるのですよ。稼いでいる部門に多く賞与を分配して頂けなければ、部下の士気も低下してしまいます」

総経理「確かに、現在わが社の利益のほとんどはB事業部で稼いでいる。C事業部は設立間もない事業部なので投資をしている分、コストがかかり赤字になっている。しかし、C事業部のみんなに対しても一生懸命働いてくれたと評価しているよ。君も感じないかい?」

B事業部長「……。」

 B事業部長は納得している様には見えず、不満な面立ちであったそうです。

●B事業部とC事業部の状況

 B事業部長の不満の原因は賞与だけの問題ではなく、以下の要因も関係しているようです。

(1)一昨年、B事業部から人材2名をC事業部へ異動させた。
(2)昨年度のC事業部への販促費用はB事業部予算の2倍であった。
(3)昨年度、B事業部は全社の80%の利益を稼いだ。

 確かにB事業部長の主張どおり、「利益を上げている部門に経営資源を多く分配する」というのは合理的に聞こえます。

 しかし総経理は、C事業部は次世代を担う事業部なので、たとえ赤字であっても戦略的に育成していく必要があるということでした。

 また賞与の季節となり、昨年末はなんとかしのいだものの「夏期賞与ではB事業部長を納得させる合理的な説明が必要」と、お困りのようでした。

●今週のなぞなぞ

 B事業部長にどのように説明すれば、納得してもらえるでしょう?
   
ワイズコンサルティング 手塚理奈子

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