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《新型肺炎》緊急連載 第1回 日系企業が採るべき感染症対策


コラム 経営 作成日:2020年2月3日

SARSを経験した経営者が語る

《新型肺炎》緊急連載 第1回 日系企業が採るべき感染症対策

記事番号:T00088071

はじめに

 現在世界では武漢肺炎(新型コロナウイルス)が拡大しています。

 2月3日現在の武漢肺炎の死亡者数は361名となり、2003年にパンデミック(感染症の世界的流行)を起こしたSARS(重症急性呼吸器症候群)の中国国内での死亡者数を超えました。

 また本日の報道によると中国湖南省では致死率60~70%といわれる鳥インフルエンザも発生しています。

 私は1996年に台湾で起業しているので03年のSARSのパンデミックは経営者として経験しています。

 本コラムを緊急に執筆した目的はSARSの経験から「これから何が起こるのか?」「企業が採るべき対策は?」について情報を皆さんと共有することです。

台湾でSARSがパンデミック

 02年11月から中国の広東省で発生したSARSは中国、香港、カナダと感染が拡大し台湾には最後に上陸しました。

 当時、中国から帰国した台湾人が高速鉄道の中でひどい咳をしており、その人がスーパースプレッダーとなり、多くの人に感染を拡大することとなりました。

 パンデミック時には患者が入院した台北の和平病院でも院内感染が広がり、和平病院はバリケードで隔離され、脱走を試みた医師や看護師が居たほどです。

 その結果台湾では681名の感染者と84名の死亡者を出す結果になりました。

 台湾でSARSが危機解除となったのは世界で最後の03年7月5日でした。

 今回の武漢肺炎については中国政府は03年当時と同様の情報隠蔽により感染拡大に繋がり、SARSの教訓を全く活かせていません。

 それに対し台湾政府はいち早く湖北省からの入国を禁止したほか、マスクの輸出禁止等SARSの教訓を活かして先々に対策を立てているので、春節前後では日本と同じ人数の感染者が居たにも関わらず、2月3日現在では感染者数は日本の半分の10名となっています。

当時企業に求められた対策

 SARS発生時に企業に求められた対応策は以下の通りでした。

1.全社員に毎日体温検査を義務付け

2.発熱者は1週間の自宅隔離

 企業は毎日社員の体温を測定し、発熱者がいた場合は1週間の自宅隔離を義務付けられました。

3.感染者が出た組織(事業所)では1カ月間営業停止。

 企業(事業所)で感染者が出た場合は企業(事業所)は1カ月間営業停止と、建物の消毒が義務付けられていました。

 当時駐在員の皆様はSARSがパンデミックになっている中でも「アルコールで消毒が必要…」と林森北路に通っていましたが、当然ながらこれは効果はありません(;^_^A

 明日は「在台日系企業が準備すべき内容」「ワイズの武漢肺炎対策」についてご紹介致します。

吉本康志

吉本康志

グループ代表兼ワイズコンサルティング社長

 1991年日本大手コンサルティングファーム駐在員として台湾駐在。1996年に起業、ワイズコンサルティングを設立~現在に至る。創業経営者として自社での実験を通して「必ず成果のあがるコンサルティングの探索」をライフワークに経営戦略、 人事労務、マーケティング戦略、IT活用等多様なコンサルティングで実績をあげている。(言語)日本語◎・中国語△

SARSを経験した経営者が語る

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