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ドリンクスタンド大手、CoCo都可は、アジア、欧州、米国、オセアニア、アフリカなど世界150都市に5500店を構え、さまざまな独創的な作りたて飲料を提供しています。運営会社は、億可国際飲食です。
■持ち帰り・増量で軌道に
創業者の洪肇水氏は1997年、友人2人と、淡水(現在の新北市淡水区)で1号店を開業しました。当初のブランド名は「都可流行生活飲食」で、後に「CoCo都可茶飲」に変更しました。
CoCoはポルトガル語で笑顔を意味します。飲んだ人が心から笑顔になることを願って名付けました。また、ブランドと商品に「consistency & continuity(一貫性と継続性)」を持つという意味も込められています。
当初は、手頃な価格のドリンクをメインとしていましたが、店舗が広く、メニュー数が多く、営業時間も長かったため、コストがかかりました。
反省を踏まえ、淡水で、テイクアウトの2号店を開いたところ、見事に成功しました。
3号店からは、ドリンクのサイズを標準的な500ccから700ccに拡大し、「増量しても価格据え置き」と大々的に宣伝したところ、学生や地域住民に人気となりました。
■エリアごとにパートナー
当初は、自社のスタッフの独立を奨励することで、店舗管理や商品の品質を維持しました。後に、加盟店を募集しましたが、1店舗単位の加盟は受け付けず、特定の地域を任せるエリアフランチャイズ方式としました。
例えば、中国の福建省厦門(アモイ)では石油化学メーカーと提携、江蘇省南京では保険会社と提携、東北部では外食企業と提携しました。実力あるパートナーに任せることで、店舗拡大とブランド管理を実現しました。
■若き経営陣のアイデア力
CoCo都可の成功の秘訣は、若い経営陣の創造性がある経営やマーケティングです。メニューは多彩で、ドリンクスタンドで定番のタピオカミルクティーからコーヒー類まで取り揃え、季節限定商品も次々と投入しました。
マーケティングでは、若者を主なターゲットに定め、話題性のある新商品やキャンペーンを打ち出しました。例えば、映画『私の少女時代』公開時(2015年)には、映画のイメージに合わせ、キウイ、キンカンレモン、レモンルイボスティーゼリーなどの商品を発売しました。SNS(交流サイト)を運用し、消費者と交流し、ブランドロイヤルティを高めました。
■中台のエリート大学出身
経営陣はほぼ、台湾大学、交通大学(現在の陽明交通大学)、清華大学など、台湾と中国のエリート大学出身者です。年2回の昇給や、四半期ごとのボーナス支給で、優秀な人材な呼び込むのは、両岸(中台)で変わりません。
人事部門は常に市場調査を行い、給与水準を同業の上位25%以内に設定しています。幹部になれば、海外の持ち株会社の株式を購入できます。
小売業は人材が頼りで、良い人材がいれば、事業を拡大できると考えています。
■システムで発注・品質管理
中国では店舗運営の効率向上とサプライチェーン(供給網)対応の迅速化のため、スマート発注システム「ワンクリック発注」を導入しました。
店舗のスタッフがワンクリックするだけで、在庫や販売状況に基づく発注書が自動生成されます。システムが全ての発注を自動集計・確認するので、人による確認は必要ありません。
発注内容を確認後、倉庫と物流部門に自動送信され、出荷が手配されます。本部は、各店舗の発注状況、資材の使用傾向、在庫変動などの情報をリアルタイムで把握できます。
品質管理では、シール式の「期限ラベル管理」制度を導入しました。タピオカやフルーツなどのトッピングに、期限管理のラベルを貼り、システムで使用状況を管理します。システムが、特定の材料が数時間以内に作られていないと検知すると、期限切れの可能性を警告します。例えば、タピオカが長時間作られていないのに、タピオカを使用し続けていれば、システムが警告を出します。
■カナダに120号店
「企業はグローバル化、管理はローカル化」を理念を掲げ、2025年上半期(1~6月)には、米国テキサス州ダラスやオランダのアムステルダムに出店し、カナダには120号店を出店しました。
今後アフリカや中南米などでも出店を続け、世界的な影響力がある100年企業を目指しています。
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