記事番号:T00123434
■問題と対策
2回の報告会が終わり、様々な問題点が明らかになりました。発芝総経理は上機嫌です。なぜならば、これまで自分には見えていなかった水面下の問題が把握できたからです。
発芝「問題点がわからなければ直しようがありませんもの」
コンサルタント「そうですね、このように全体像を把握した上で問題点を明確にしますと、場当たり的な対策ではなく、総合的な対策を立てやすくなります。1つの対策で複数の問題を解決する方策を考えてまいりましょう」
■4つの制度
人事制度は「人事評価の評価表」を想像される方も多くいらっしゃいます。評価表は与えられたテーマがどの程度出来るようになったか、もしくは、目標をどの程度達成したかを確かめるものです。
例えば、与えるテーマや目標が課長と平社員で同じであるはずがありません。報酬の高い課長には、その報酬に見合った責務を担わせなければなりません。その責務を定義せずに役職だけ高めてしまいますと本人の能力が仕事に追いつかなくなります。
例えば「わが社の部長は本来の部長の仕事ができておらず、課長の延長線で仕事をしている」と嘆かれる経営者がおられます。尋ねると部長職と課長職の責務が明確になっていないことが原因でした。
発芝総経理は今日から始める「資格制度」の前段を興味深く聞いています。
発芝「なるほど、本人の問題ではなくて、会社側の問題ですね」
仮に役職毎の責務を定義しましても、その責務に本人の能力が見合うかどうかという問題があります。「教育制度」は本人の責務に合った能力を身に付けるための計画と実行をするものです。
そして責務には対価が伴います。単純に言いますと、仕事の難易度が高い人と低い人、責任範囲が多い人と少ない人、求める成果量の多い人と少ない人、それらが同じ対価ではいけません。それを定めるのは「賃金制度」です。
人事制度では「資格制度」「評価制度」「教育制度」「賃金制度」の4つが相互に機能して組織全体の能力を高めて、生産性を上げることになります。
■資格制度はじまる
浮き彫りになった年功序列や賃金格差の是正も考えながら、現状の単線式の役職から複線式に変える方針です。
発芝総経理「概ね理解できました。昇格の行先のない社員への機会を増やすために役職を用意しましょう」。
現行は、限られた課長と副理、経理のポジションが空かないと(それは、ほぼ本人が辞める場合に等しい)新たに登用できません。
そのため能力や技能の優秀な人材であっても、他の社員同様一律に基本給しか上がらないため、責務に見合った給与差がつかないのです。
宇都宮武則
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