記事番号:T00123721
■権限と責任
資格制度の構築が進められています。例えば、製品開発の技術者の役職名は「技術員」と「資深技術員」だけでした。「資深技術員」の上は「課長」です。そのため熟練の技術者は「資深技術員」に固まってしまっています。複線式としたことで「課長」に相当する役職が作られました。その結果、「技術員」→「資深技術員」→「主任技師」(課長相当)→「高級技師」(副理相当)→「技師長」(経理相当)となりました。
資格制度でしっかり定義しなければならないのは役職ごとの”権限”と”責任”です。これが人事制度全体の基礎になるからです。
例えば、マネジメント職である経理とスペシャリスト職である技師長を較べてみます。人事面では、経理には自部門の人材を採用する権限があり、部門のメンバーは部下と位置付けられます。一方で技師長には採用権限はなく、部下もいません。
発芝総経理は人事コンサルタントと十分に時間をかけて自社に相応しい権限と責任を定義しました。
■評価制度
資格制度が確定して次に評価制度の検討が始まりました。評価項目の設定には権限と責任が関わってきます。評価において被評価者に権限や責任に合わない要求はできません。前述の例で言えば、技師長の評価項目に「評価期間内に新しい技術者を2名以上採用できたか?」の設問は相応しくありません。技師長には採用権限がないからです。また、能力(行動)評価表に記載されている評価項目は会社が社員へ求める事項です。これらは全社員一律ではありません。
役職(若しくは所属する部所)によって求める事が異なるからです。
休憩を挟み腰を下ろした瞬間、発芝総経理はコンサルタントに大事なことを伝え忘れていたことを思い出しました。
それは、本社からの稟議書決裁事項に添えられていた情報システム部からの意見書のことです。(第117話を参照)
第117話 人事評価をkintoneで運用しましょう(3回目)
https://www.ys-consulting.com.tw/column/122728.html
意見書には、このように記載されていました「運用の最適化を図るようシステムを導入すべき。クラウド化、申請フローの自動化、ペーパーレス、サインレスは必須条件」だと。
同時にシステム化の予算が増額されていたのでした。
■運用の不安!?
コンサルタントが席に着くのを見計らって、恐る恐る尋ねました。
発芝「評価制度が出来上がったとしまして、その運用を他社さんは、紙やEXCELで実施しているのでしょうか?」コンサルタントの答えを待たずに「想像しただけでも混乱が目に映ります」。
コンサルタントは話しはじめます。
宇都宮武則
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