記事番号:T00123859
■システム化の利点
発芝総経理は自答します。「評価制度が出来上がったとしまして、その運用を他社さんは紙やエクセルで実施しているのでしょうか?」コンサルタントの答えを待たずに「想像しただけでも混乱が目に映ります」と眉間にシワを寄せます。
コンサルタント「誤解のないように申しますと、エクセルへ本人評価を記入して上司へメール申請したり、あるいは、評価用紙へ手記入して管理部へ提出したりする運用も間違いではありません。概ね、社員20~30人あたりがシステム化を考える分岐点のようです」
発芝「やはり問題は手間でしょうか?」
コンサルタント「はい、効率(手間)とリスク(安全性)です。例えば管理部から評価表を配布する、社員さんが評価を記入して間違いなく上司へ提出する、上司が部下の記入漏れをチェックする、管理部が評価表を集めて集計する、評価会議で評価ランクを修正して確定する、など運用の手間です」
発芝「管理部へ指示するだけですので手間のことは考えもしませんでした」
コンサルタント「運用に掛かる総時間数をシステム化で半分以下に減らせます」
■リスク排除
発芝「リスクとは?」
コンサルタント「エクセルや用紙運用で多いのは評価結果を他人に見られてしまう事故です。例えば記入を終えた評価表を上司以外へメールし間違えたり、上司の机に無造作に置いて誰かが見たり」
発芝「それはいけません」
コンサルタント「集計ミスも良く聞きます。多くは集計時のエクセルへの入力ミスです。他にも点数集計の計算式の誤り、評価ランクの付け間違い、相対評価の順位付けのミスもあります」
発芝「おおよそ想像できます。ぼくも役職毎に評価点数の比率を変えることを考えています。例えば一般職では課長70%、部長30%ですが、主任職では課長50%、部長50%のように。能力評価と業績評価(目標管理)の比率も役職で変えるつもりです。上位職にゆくにつれて業績評価比率を高めて、本部長クラスでは、能力評価20%、業績評価80%にしようとも」と構想を打ち明けます。
コンサルタント「そのあたりは経営者の想いを込めたいところですね。そして計算方法が複雑になる程に手作業での計算ミスが増えることは想像範囲です」
■評価システムの必要性
発芝総経理から本社への評価制度構築に関する稟議書に対して、本社から添えられた意見書「運用の最適化を図るようシステムを導入すべき」は大変有り難いアドバイスだったのです。
発芝総経理はコンサルタントの方を向き直ると「システム化もお願いします」と告げました。
宇都宮武則
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