記事番号:T00078253
パソコンのマザーボードに隙間なくびっしり並んでいるのが、抵抗器、コンデンサーなどの受動部品。電子製品メーカーに欠かせない、いわば料理人にとっての塩のようなものです。受動部品の台湾最大手、国巨(ヤゲオ)董事長の陳泰銘氏は1956年生まれ。30歳を前にした85年、台湾阻抗という会社を設立し、89年に兄の陳木元氏の会社と合併し、誕生したのがヤゲオです。
陳氏は「先見の明がある」と言われています(中央社)
当時の年間売上高はわずか2,400万台湾元でしたが、2017年には売上高が322億5,800万元(約1,200億円)に拡大、純利益は66億5,600万元と前年比68%増加しました。今や、チップ抵抗器は世界市場シェア首位、積層セラミックコンデンサー(MLCC)世界3位です。
先見の明と決断力
ヤゲオがここまで成長した理由の一つは、陳氏の思い切ったM&A(合併・買収)です。ヤゲオは94年以降、台湾や海外の企業11社を買収しました。最も注目されたのが、赤字だった蘭フィリップスの受動部品部門を00年5月に180億元で買収したことです。当時は笑い者になりましたが、欧米の大企業を顧客にでき、陳氏の決断は正しかったと、今では誰もが認めています。
最近では18年5月、米国同業のパルスエレクトロニクスを買収すると発表しました。パルスエレクトロニクスは、インテル、アップル、華為技術(ファーウェイ)やテスラモーターズ、メルセデス・ベンツ、ゼネラルモーターズ(GM)などの大企業を顧客に擁しており、この買収は、第5世代移動通信規格(5G)や車載用などが視野にあるとみられています。
4度の値上げに成功
ヤゲオが近年、急成長したのは、4度もの値上げに成功したためです。16年下半期より日本の受動部品大手メーカーが単価の高い車載用MLCCなどに注力し、ロー~ミドルエンドMLCCの生産を縮小する中、陳氏は増産を決断しました。すると翌年には、スマートフォンやノートPCメーカーから受注が続々と舞い込み、MLCCが供給不足に陥りました。その結果、4度もの値上げに成功、業績が爆発的に成長したのです。
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