コラム

記事番号:T00078759
2018年8月17日15:59

 3C(コンピューター、通信、家電)製品の共同購入サイト「486団購網」は、2017年売上高が16億台湾元(約58億円)と、インターネット通販サイト大手「PChome商店街」の13億元をも上回り、台湾インターネットショッピング界の奇跡といわれています。従業員わずか39人のため、1人当たり売上高は約4,000万元と、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)も驚くほどの高い労働生産性を誇ります。

商品レビューでファン獲得

 「486団購網」の名称は、執行長の陳延昶氏が以前使っていたパソコンのCPU(中央演算処理装置)「インテル486」に由来しています。ミスター486とも呼ばれる陳氏は1998年からインターネット上で商品レビューなどを発表していましたが、ブログがはやりだした05年にブログ「大丈夫週記(486ワールド)」を開設しました。▽ミキサー▽蒸し鍋▽低周波治療器▽モップ──など、400種類以上の商品を率直な意見で、面白おかしく紹介したところ、人気を呼びました。

 ブログを通じてファンを獲得した陳氏は、多人数で一括購入すれば商品が安く手に入ると言われ、07年からインターネット上で共同購入の募集を開始しました。自らメーカーに連絡し、掃除ロボットが市価より1割安く購入できると紹介すると、一晩で100人以上の購入申し込みがあるではありませんか。

 こうした経験を経て、10年に共同購入サイト「486団購網」を立ち上げました。創業当時の従業員はわずか3人、売上高は1億元ほどでしたが、7年で16倍に成長。今や会員数は31万人、うち約7割が女性で、32~44歳が多く、リピート率は85%に上ります。

商品数を絞り込み

 「486団購網」の取扱商品は、ハンディー掃除機、ロボット掃除機、空気清浄機など家電が中心で、種類は多くありませんが、自ら購入し、試用した上で、一般ユーザーの目線で商品を評価しています。また、台北、台中、高雄に展示センターも開設しています。

 陳氏は、取扱商品数はネット通販大手の「PCホーム商店街」や「momo購物網」にかなわなくとも、えりすぐりの商品が売れればいいと考えています。共同購入サイトでは、同じ商品が売れれば売れるほど、値段が下がるからです。例えば掃除ロボットは、台湾の大多数の業者は月200台も売れませんが、「486団購網」は月1,000台以上、年1万台以上売れています。

 「486団購網」は早くも14年から、商品を動画で紹介しています。音声付きで、商品を360度確認できるのは、写真や文字だけで紹介する他社との大きな違いです。マーケティングはフェイスブック(FB)が中心で、各種データを分析していることも、成功の秘訣(ひけつ)でしょう。

社員旅行で海外に

 陳氏の経営理念は、「従業員よし、顧客よし、経営よし」の三方よし。会社の待遇がよければ、従業員が明るく熱心に働き、顧客はよいサービスを受けられ、注文が絶えず、経営がよくなると考えています。

 そこで、17年の社員旅行は、2月に日本5日間、7月にポルトガル・スペイン15日間、年末に韓国5日間。端午節(旧暦5月5日)と中秋節(旧暦8月15日)には0.5カ月分のボーナス支給。正社員だけでなく、両親や子供が病気で入院しても、病室の個室を全額補助するという徹底ぶりです。

 このため従業員は、商品の使用体験をライブ配信でシェアするなど、陳氏の分身となって、熱心に仕事に取り組んでいます。もちろん、何度注意しても怠ける従業員には厳しく、設立以来7人を解雇しました。

 

「人を動かし、目標実現に導くリーダーの育成」
台湾人向け監督者研修
講師:ワイズコンサルティング 顧問 荘建中

【台北9月26日、10月18日開講】▶ https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/72164.html
【台中9月28日開講】▶ https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/72163.html
【高雄9月27日開講】▶ https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/72162.html

荘建中

荘建中

シニアコンサルタント

難しい事をわかりやすく伝えるプレゼン力はワイズNo.1、毎年セミナーや研修で200回/年を越える講演を行っている。