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第1回 紅包の真実


コラム 人事労務 作成日:2008年11月24日

こっそり予習、管理部門の豆知識 総務・会計

第1回 紅包の真実

記事番号:T00011801

 
 皆さまこんにちは!ワイズコンサルティング会計実務担当の佐々木緑です。今回スタートします連載「こっそり予習、管理部門の豆知識」では、駐在員が台湾で仕事をする上で、知っておきたい総務や会計の役立つ知識を、実際のエピソードを交えてお伝えして参ります。「知っていて良かった」と思う内容をこっそり予習していきましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 第1回は「紅包」についてご紹介致します。台湾では三節(春節、端午節、中秋節)や結婚式のお祝いなどに紅包を贈る習慣があります。台湾人にとって紅包を贈ることは、誠意を示す大切なコミュニケーションの一つで、非常に重視されていることをご存知でしょうか?贈る金額の相場や、数字の持つ意味を知っておくと、いざという時に役立ち、安心です。また、台湾人でも最近の若者は必ずしも知っているとは限りませんので、知っておくと自慢できるかもしれません(笑)

紅包の基本
 
 贈る金額は、偶数を選び奇数を避けることが基本です。奇数はお葬式など不祝儀に使います。偶数でも4は「死」、8は「別れ」を意味するため避け、9も「苦」であるため選びません。一方、6は特に好まれる数字です。

 こうしたルールから、一般的に選ばれる金額は低い順に、▽600元▽1,000元▽1,200元▽1,600元▽2,000元▽2,200元▽2,600元▽3,600元(3は奇数ですが6×6で良いとされています)▽6,000元▽6,600元▽1万元▽1万6,000元──となります。

 金額を決めるポイントは、贈る相手との関係および職場の上下関係を考慮し、それに見合った額を見極めることです。あくまで「少なすぎず、多すぎず」です。

お返しの目安
 
 お祝いに紅包を受け取ったら、相手に同様のお祝い事があった際、贈られた額より多い額をお返ししなければならないマナーがあります。顔見知り程度の同僚に贈る場合でも最低600元からで、同じオフィスの同僚には1,200元、日ごろから親しくしている同僚には1,600元、仲の良い知人には2,000元~3,600元が目安です。

 3,600元を贈ると6,000元をお返ししなければならないため、気遣って2,600元でとどめる場合もあります。誠意を伝えるつもりで多く贈って、反感を買ってしまっては本末転倒ですね。

 親しい友人や身内は6,000元以上を目安に贈ります。また、披露宴に参加する場合、一般的な相場は1,200元からでしたが、最近はホテルでの披露宴は1テーブル数万元することから、1,600元以上からが一般相場と考える人が増えているそうです。近年の物価高騰の影響で、紅包の相場にも影響が出ていることが分かります。
 
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一般的な紅包袋(左)と香典袋(右)

お見舞金の目安
 
 同僚に贈る場合のお見舞金は、600~ 2,000元程度が一般的な相場です。これらの基本を踏まえていれば安心です。

 さて、お金の代わりに物を贈る場合、台湾では特に注意が必要です。例えば、病室に時計がないことに気づき、気を利かせたつもりで時計を贈ったら、相手は青ざめてしまうかもしれません。時計を贈ることは中国語で「送鐘(song4 zhong1)」で、「最後を見送る」という意味の「送終」と同音です。

 しかし、形を少し変えれば失礼には当たりません。時計と一緒に本を贈ると、近い音の「有始有終(you3 shi3 you3 zhong1」が連想され、病気になっても必ず治るという意味に解釈できます。このほか、傘と扇子は同音・近音の「散(san4)」の「離別」が連想されるため、贈り物としては避けられます。

 だいぶ昔の話になりますが、私の母が入院した時、実際にもらって嬉しいのは「紅包」だったそうです。紅包は相手がプレッシャーを感じない程度の額で贈ると、誠意を感じてもらえて喜ばれると思います。

 ところで、母が贈られて最も困った物と言えば、栄養剤や漢方薬で煮込んだ「栄養たっぷり」スープだったそうです..f^_^:
 
ワイズコンサルティング 佐々木緑

こっそり予習、管理部門の豆知識総務・会計

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