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今回は「統一発票」についてお伝えします。統一発票とはどのようなものかをきちんと知っておくと、実務にとても役立つと思います。
統一発票とは?
「統一発票(tong3 yi1 fa1 piao4)」の「発票」はレシートという意味です。台湾では営業税をインボイス方式で管理しており、このインボイスに相当するものが、財政部認定の公的領収書である統一発票です(あくまでもインボイスであり領収書ではないことにご留意下さい)。
営利事業者は、商品・サービスを提供する際に統一発票の発行が義務付けられています。財政部から購入した連番の専用伝票に取引内容を手書きで記入し、自社の統一編号(会社ライセンス交付時に与えられる8桁の営利事業者の識別番号)スタンプをポンポンと押して発行する三連式統一発票と二連式統一発票が一般的です。
また、統一発票は2カ月単位で管理されているため、営利事業者は財政部指定の「統一発票専用明細表」に2カ月ごとに発行明細を記載して、提出する必要があります。
統一発票の種類
統一発票は、政府が1958年に「統一発票使用弁法」を施行して以来、主に5種類が使用されています(統一発票使用弁法第7条より抜枠)。
1)営利事業者より域内営利事業者に対して発行される「三連式統一発票」
2)域外営利業者または個人などの非営利事業者に対して発行される「二連式統一発票」
3)最も身近なコンビニエンスストアなどで発行される「収銀機(レジスター式)統一発票」
4)インターネット販売でなどで発行される「電子用計算機(コンピューター式)統一発票」
5)銀行業、保険業、特殊飲食業など特殊税額計算営業者で発行される「特殊統一発票」
統一発票は、政府が収税の安定および脱税防止のために始めた制度で、商品・サービスの提供を行った者は、統一発票に記載された金額で経理処理を行い、納税額を決定しなければならないと規定されています。統一発票の有効期間は発行から5年で、その期間であれば経理処理が可能です。
一攫千金の楽しみも
よく知られているように、統一発票は宝くじになっています。2カ月ごとに抽せんが行われ、最高で200万台湾元(約550万円)、末等で200元が当たります(気になる当選本数と賞金の詳細は財政部ホームページの「税務入口網」で)。なぜ、このような「おいしい」制度があるのでしょうか?理由は、事業者に統一発票を発行するように強制しても、われわれ消費者が受け取らなければ普及しないため、統一発票の通し番号を宝くじにしてしまうことで、小額の買い物でも消費者が進んで統一発票を受け取るようにしたのです。
この制度の導入によって、個人への売り上げの計上漏れ防止、および税収の安定化が可能となりました。統一発票の普及前までは営業税の未納税が多かったのですが、宝くじ制度導入の翌年には収税率が70%に達しました。とても画期的な制度だと思います!
200万元が当たる確率は限りなく低いと思いますが、一攫千金を夢見るのも一つの楽しみですよね。わたしは200元でも当たればうれしいですし、コンビニなどで消費し、ささやかでも消費拡大に貢献したいものです(笑)。
次回は、実際に統一発票を発行する際のポイントについてお伝えします。
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