コラム

記事番号:T00075512
2018年2月9日16:04

 婦人服のインターネット販売業界で若き成功者として知られる周品均氏(1982年生まれ)のことは、本連載の第100回(https://www.ys-consulting.com.tw/column/49008.html)で紹介しました。彼女が元夫と共同で立ち上げ執行長を務めた「東京着衣」は、ピーク時で年間20億台湾元(約75億円)を売り上げ一大ブームを巻き起こしたものの、周氏は元夫との関係が悪化して2013年に離婚、翌14年には退社を余儀なくされました。それでも16年に資本金100万元で「Wstyle」を創業し、捲土重来を図っています。

「純韓国産」をアピール

 Wstyleは台湾での韓流人気を目を付け、25歳から35歳の女性をターゲットに、デザインから生産、写真撮影まで全て韓国で行う「純韓国産」をアピールしています。周氏自身が毎月韓国に赴き、東大門市場で商品を目利きする他、韓国メーカーにWstyle向けの独自商品を生産してもらっています。/date/2018/02/09/20keiei_2.png『天下雑誌』のインタビューを受ける周品均氏。若くして成功した実績は、起業を目指す女性の憧れの的だ(周氏フェイスブックより)

 こうした「韓流ファッション」の新製品は1カ月に60~70種類提供しており、商品全体の3~4割を占めます。Wstyleは、東京着衣時代からの周氏の固定ファン約4万人が最初の顧客になりました。高い購買意欲のおかげで、Wstyleは創業2カ月目で早くも利益を計上、3カ月目には売上高が100万元に届きました。彼女はフェイスブック上で好みのファッションを公開しており、そのセンスには以前から定評があるのです。

 周氏のファッション哲学は、女性がさまざまなシーンで自分をしっかり表現できる、というものです。「高身長で足長」という「美形の標準」の服では「服に着られる」ことも起きる。そうではなく、服を着るのはあくまで自分で、自分に合い、表現できるファッションを選ぶことこそが重要で、それがブランドへの評価と消費につながると考えています。「服が美しいかどうかではなく、心から認めて好きになったファッションこそ長く使えるのだ」と周氏は語ります。

ソーシャルネットワークを重視

 「優れたチーム、顧客ターゲットの絞り込み、ソーシャルネットワークへのマーケティング力」の3点が、周氏が創業間もない企業にとって重要と考える要素です。仕事ごとに異なる人材を割り当てていてはリソースの浪費になるため、一つのことしかできない専門家ではなくオールマイティータイプの人材を求めます。Wstyleは1人の人材に多種類の仕事をさせるスタイルで、人件費がコスト全体に占める割合はわずか6%と、一般企業の10~15%を大きく下回っています。ちなみに同社は周氏以外に管理職を置かず組織をフラットにしており、この点も一般的な企業とは大きく異なります。

 ソーシャルネットワークへのマーケティングを重視するのは、創業間もない企業は資金力に限界があるためで、ブランドへの忠実なファンを育てることによってこそ少ない資金で販売につながるという発想です。商品販売を焦るのではなく、ソーシャルネットワークに注力して消費者の関心を把握することが鍵で、特に「消費者が買いたいと思い、かつ受け入れ可能な価格」の交差ポイントを探ることが最も重要と周氏は語っています。

 周氏のもう一つの哲学は「絶えず変化することを永遠に変えないこと」。Wstyleのファッションを通じて女性たちに「自分を愛し、自分らしく」というメッセージを発しつつ、婦人服ネット販売のプロフェッショナルとして、新たな奇跡に向かって一歩ずつ階段を上っているところです。
 

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荘建中

荘建中

シニアコンサルタント

難しい事をわかりやすく伝えるプレゼン力はワイズNo.1、毎年セミナーや研修で200回/年を越える講演を行っている。