コラム

記事番号:T00074525
2017年12月15日15:48

 美律実業(メリー・エレクトロニクス)は電気音響部品で世界4位のメーカーです。ヘッドホン、スピーカー、マイクロフォン、補聴器、バッテリーなどを生産しています。これら製品は、モバイル端末、オーディオ・ビジュアル(AV)機器、パソコン周辺機器、スマートホーム、医療などに幅広く使われています。本社は台中工業区にあり、中国、タイ、米国、シンガポールなど世界11カ所に拠点があります。

音楽好きで起業

 メリーの廖禄立董事長は幼いころから、クラシックギター、中国民族楽器の揚琴(ようきん)、胡琴(こきん)などを習う音楽好きでした。こうした経験と、大学で電機学部を専攻したことから、1975年にメリーを起業しました。

 廖董事長は、たとえ既存製品でも、トレンドが読めれば、市場に必要とされる商品を生み出すことができると語っています。メリーは当初、資本金わずか150万台湾元でしたが、80年代に流行したヘッドホンやイヤホンでの音楽鑑賞など、時代のニーズをつかんで、業績を大きく伸ばしました。携帯電話用ヘッドセット、ハンズフリーキット、ブルートゥース対応ワイヤレスイヤホン、補聴器なども展開し、98年に株式店頭公開、00年に株式上場を果たしました。

 一方、設立当初は数々の試練に直面し、82年と96年に業績が大きく低迷しました。このとき廖董事長は、在庫量(stock)を50%削減し、納期(lead time)を30%まで短縮、不良品率を10%まで引き下げて品質(quality)を向上させる「STQ531」計画を実行しました。これにより、業績が改善しただけでなく、技術力が向上、企業文化、従業員の質が高まりました。

カットした給与を返還

 08年に世界金融危機が発生したときには、メリーの主要顧客だった携帯電話大手のノキアやソニー・エリクソン(当時)が、アップル、サムスン電子などスマートフォン大手との競争に敗れ、メリーは赤字に陥りました。

 そこでシニアマネジャー以上の幹部の給与カットを行いましたが、翌09年に黒字化に成功すると、削減した給与と利息分を幹部に返還しました。廖董事長は、企業には誠実さが不可欠と考えているためです。

基礎研究を重視

 メリーには昔から基礎研究開発(R&D)部門があります。廖董事長が技術畑出身という理由もありますが、基礎研究をしっかり行うことで、イノベーションを生み出し、本業に結び付けることで、企業は存続し続けることができるとの考えです。

 廖董事長は、他社との競争は目に入らず、専門の電気音響部品分野しか見ていません。研究開発を行い、差別化した商品を生み出すことが、顧客に対し価値を生み出し続けると考えているからです。

読書で幹部教育

 廖董事長は熱心な読書家でもあります。会社でも読書会を通じて、幹部教育を行っています。マネジャーが知識を増やし、競争力を高めるためには、業界トレンドやマネジメント関連の書籍を読むことが基本中の基本と考えているからです。


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シニアコンサルタント

難しい事をわかりやすく伝えるプレゼン力はワイズNo.1、毎年セミナーや研修で200回/年を越える講演を行っている。