ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

第130回 宝佳機構董事長 林陳海氏


コラム 経営 台湾事情 作成日:2017年5月19日

台湾流経営策略 台湾の名経営者

第130回 宝佳機構董事長 林陳海氏

記事番号:T00070659

 宝佳機構は、建設業界以外の方は聞いたことがないかもしれませんが、台湾最大の建築会社です。年間の住宅販売件数は8,000戸、過去10年の発売総額は2,500億台湾元を超え、台湾全土で30万人以上が同社が建てた住宅に住んでいます。

 宝佳機構の董事長、林陳海氏は、物静かな人で、公開イベントなどには参加せず、メディアの前にもめったに現れませんが、業界内ではよく知られた人物です。

 林氏は宜蘭県で生まれ、若い時に台北に移り住み、ゼネコンの現場監督などを経験。その後、明峰建設に転職し、高学歴ではなかったものの必死に働き、総経理の役職まで登り詰めました。

 台湾の株式市場のバブル末期だった1989年に起業し、台北市で物件販売を開始。91年に協和建設と宝佳機構を設立し、新北市、桃園県(現・桃園市)で手頃な価格帯の住宅を建設しました。続いて勝華、和発、宝佳などの傘下会社を設立しました。

 林氏は現場監督の経験から、建設投資に対する目利きが鋭く、業界では「土地を見ただけで、どんな家が建てられ、どのくらい稼げるか、どのように発展させられるかが分かる人物」と言われています。

短期間で開発・販売

 林氏は起業当時から、一般市民向け市場こそ社会的に価値があると考えていました。この理念の下、宝佳機構は初めての住宅購入をターゲットに、多くの人が安心して住宅を買えるよう、経済的な住宅の研究を絶えず行っています。

 また林氏は、できるだけ短期間で住宅を建て、大量の物件を発売し、完売するという回転率の高い方法を生み出しました。

 宝佳機構は、購入した土地を遊ばせず、平均1年半で竣工(しゅんこう)させ、すぐに販売。その資金で土地を購入して開発することを繰り返し、わずか数年で驚くほどの収益を上げています。

 不景気になれば、思い切って値下げします。収益は減りますが、また土地を購入し、次の物件を開発すれば、景気が回復した時にすぐに取り戻せます。他の多くの建設会社が値下げせず、2~3年かけて完売するまでの間に、宝佳機構は収益を上げ続けているのです。

幹部の起業を支援

 林氏は、能力が高くてやる気がある幹部を起業させ、資金や技術を支援し、各地を開拓させています。起業後は、株式を持たせることで、自分の会社として、本気で取り組ませています。

 不動産業は資金繰りが重要なため、経営者は通常、他人にお金の管理を任せたがりません。そのため、部下を起業させる方法は、経営者に心意気と知恵がなければ、成功しないことでしょう。

 林氏は、十数年余りでグループ企業を70社まで増やしました。育て上げた25人以上の2世代目の幹部もそれぞれ起業し、子会社の責任者となっています。グループには資産が1億元を超える幹部がたくさん生まれました。

 林氏は、自身が不動産業で成功しただけでなく、部下も成功させるという伝説を残しました。

 

経営者について行ける後継者を育成!
【5月24日開講】台湾人向け経営塾
講師:ワイズコンサルティング 顧問 荘 建中
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/68779.html

荘建中

荘建中

ワイズコンサルティング社高級顧問

 年間200回以上のセミナー講演を行い、法律、経営、人事、財務、人材育成など、多岐にわたるテーマを幅広く扱っている。なかでも難解な内容をわかりやすく伝えることに定評があり、参加者から高い評価を得ている。ワイズのエース講師として、どんなテーマにも柔軟に対応でき、ユーモア有る話術で魅力的な講演が可能。(言語)中国語◎

台湾流経営策略台湾の名経営者

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。