記事番号:T00070659
宝佳機構は、建設業界以外の方は聞いたことがないかもしれませんが、台湾最大の建築会社です。年間の住宅販売件数は8,000戸、過去10年の発売総額は2,500億台湾元を超え、台湾全土で30万人以上が同社が建てた住宅に住んでいます。
宝佳機構の董事長、林陳海氏は、物静かな人で、公開イベントなどには参加せず、メディアの前にもめったに現れませんが、業界内ではよく知られた人物です。
林氏は宜蘭県で生まれ、若い時に台北に移り住み、ゼネコンの現場監督などを経験。その後、明峰建設に転職し、高学歴ではなかったものの必死に働き、総経理の役職まで登り詰めました。
台湾の株式市場のバブル末期だった1989年に起業し、台北市で物件販売を開始。91年に協和建設と宝佳機構を設立し、新北市、桃園県(現・桃園市)で手頃な価格帯の住宅を建設しました。続いて勝華、和発、宝佳などの傘下会社を設立しました。
林氏は現場監督の経験から、建設投資に対する目利きが鋭く、業界では「土地を見ただけで、どんな家が建てられ、どのくらい稼げるか、どのように発展させられるかが分かる人物」と言われています。
短期間で開発・販売
林氏は起業当時から、一般市民向け市場こそ社会的に価値があると考えていました。この理念の下、宝佳機構は初めての住宅購入をターゲットに、多くの人が安心して住宅を買えるよう、経済的な住宅の研究を絶えず行っています。
また林氏は、できるだけ短期間で住宅を建て、大量の物件を発売し、完売するという回転率の高い方法を生み出しました。
宝佳機構は、購入した土地を遊ばせず、平均1年半で竣工(しゅんこう)させ、すぐに販売。その資金で土地を購入して開発することを繰り返し、わずか数年で驚くほどの収益を上げています。
不景気になれば、思い切って値下げします。収益は減りますが、また土地を購入し、次の物件を開発すれば、景気が回復した時にすぐに取り戻せます。他の多くの建設会社が値下げせず、2~3年かけて完売するまでの間に、宝佳機構は収益を上げ続けているのです。
幹部の起業を支援
林氏は、能力が高くてやる気がある幹部を起業させ、資金や技術を支援し、各地を開拓させています。起業後は、株式を持たせることで、自分の会社として、本気で取り組ませています。
不動産業は資金繰りが重要なため、経営者は通常、他人にお金の管理を任せたがりません。そのため、部下を起業させる方法は、経営者に心意気と知恵がなければ、成功しないことでしょう。
林氏は、十数年余りでグループ企業を70社まで増やしました。育て上げた25人以上の2世代目の幹部もそれぞれ起業し、子会社の責任者となっています。グループには資産が1億元を超える幹部がたくさん生まれました。
林氏は、自身が不動産業で成功しただけでなく、部下も成功させるという伝説を残しました。
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