記事番号:T00050328
われわれ経営者・経営幹部は現代のビジネス戦国時代を生きる武将…
生死を掛けた、いにしえの武将たちからわれわれは何を学ぶのか?
第参話 豊臣秀吉編
豊臣秀吉
豊臣秀吉(以下秀吉)は人望や経済力はあるが、戦はあまりうまくないと評する人がいます。
しかし、秀吉は生涯で121勝18敗と戦国武将の中では最も勝ち星が多く(2番目は信長の118勝)、勝率も87.1%と戦国武将の中では6位につけています。
秀吉があまり戦上手というイメージがないのは、調略や心理戦などに長けていて、戦っているというイメージが少ないからではないでしょうか?
●戦わずして勝ちを得るのは、良将の成すところである。
戦もビジネスも真っ向勝負で相手を打ち負かすのは豪快で気持ちの良いものです。
ですが、真っ向勝負は一般的に体力(戦力や経営資源)のある方が勝つことになっています。
また、たとえ体力的には勝っていても桶狭間の戦いのように奇襲に敗れることもありますし、少なからずの損失がある上、時間も浪費します。
それに対して秀吉のように調略や心理戦による戦に持ち込めば損失は最小限に抑えて、確実な勝利を手にすることができるのです。
私も経営者として真っ向からの体力勝負になる戦いは極力避けてきました。
ある競合の経営者は「ワイズは価格が安いから勝てただけだ」と言っていたそうですが、それぐらいの戦略理解度ならたとえ100回戦ってもわが社には勝てないだろうな〜と思いました。
今までは知略に長けた競合がいなかったので18年連続売り上げ成長を継続することができています。d(^_^o
信長公は勇将であるが良将ではない。剛を持って柔に勝つことを知ってはおられたが、柔が剛を制することをご存じなかった。
(秀吉が信長を評した言葉)
●金銀をたくさん積んでおくのは、良い侍を牢に押し込めて置くのと同じことだ。
私は秀吉が天下を取れたのはこの言葉が全てだと思っています。
秀吉は一見散財家に見えますが、部下や民衆に気前良く金銀を与えたのも、巨大な大阪城を築いたり、豪華な聚楽第や黄金の茶室を作ったりしたのも、全て戦略的意図がある有効な「投資」となっています。
「戦」や「商売」には「投資」という発想がありませんが、秀吉は「投資」により利益を産み出す「経営」を行っていたのです。
投資のない「商売」は損益計算書に記載されていますが、投資から利益を得る「経営」は貸借対照表に記載されています。
つまり「損益計算書は読めるが貸借対照表が苦手」という方がいますが、これは言い換えると「商売は理解できるが、経営は理解できない」という意味になります。
秀吉は投資のできる「経営」を行っていたのに対し、多くの武将は投資をしない「戦(商売)」を行っていたので、どちらが勝つかは説明不要ですね(^_^)v
●やるべき事が明確であるからこそ、日夜、寝食忘れて没頭できる。
経営で言えば明確なビジョンを持ちましょう、個人で言えば大きな志を持ちましょうということだと思います。
私事で恐縮ですが、私にも「アジアのマッキンゼーを創る」という志があります。
ですから会社勤めをしていたときも全て起業するための経験と思っていたので、経験のない仕事でも雑用でも喜んでやっていましたが、多くの同僚は違っていました。
私にとってわが社の経営は寝食を忘れ没頭できる壮大なロールプレーイングゲームのようなものです。
そのため、ゴルフはいまだに100を切れません(今週のワイズ杯の言い訳です;^_^A)
●女狂いに好き候事、秀吉まねこれあるまじき事。
自分のように女色に狂ってはいけないという意味で、姉の息子秀次に関白を継がせるときの言葉です。
皆さまも気を付けましょう。
えっ?私ですか?
う〜ん、耳が痛い… >_<
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