記事番号:T00102558
ドイツ初代宰相のビスマルクは演説で「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と語っています。
色々な解釈がされていますが、私は「愚か者は経験しなくてはわからないが、賢者は経験しなくても歴史から学んでいる」と解釈しています。
今回のコラムは無謀にも戦国時代の変革者であった織田信長からDX(デジタル・トランスフォーメーション)のヒントになることを見つけてゆこうというのが趣旨となります。
「戦国時代を生きた信長」と「現代の経営者が注目するDX」は一見何の関係も無いように感じますが、ビスマルクも「賢者は歴史から学ぶ」と言ってますので私の無謀な企画にお付き合い頂ければ幸いです。
さて、最近度々目にする「デジタル・トランスフォーメーション」という言葉ですがこれは「デジタル技術を活用してビジネスモデル(或いは社会・組織)を変革する」ことを指しています。
戦国時代に「デジタル」は無かったものの、信長は多くの「トランスフォーメーション」(変革)を実現してきました。
現在の世界情勢と同様に戦国時代という「先行き不透明」な時代に信長はどの様な変革を行なってきたかを復習してみましょう。
信長は多くのトランスフォーメーションを行なってきました。
一例を上げると「天下布武」というコンセプトを導入することでどうやって戦国時代を終わらせ、その結果どういう状態になるかを明確にしました。
「常備軍」という組織のイノベーションを行うことで農業の繁忙期には戦えなかった軍隊を年中戦える組織に変革しました。
「楽市楽座」「関所の廃止」という経済活性化策により人の流れを活性化させ、人が自分の領土に集まってくる仕組みを作り上げました。(一説には「関所を廃止」しなければ「本能寺の変」は実現できなかったとも言われてますが…;^_^A)
「安土城」はそれまでの城郭は防御を目的としたものから権威誇示の広告塔としての役割を持たせました。
という具合に信長は数えればきりがない程多くの変革を行っています。
ここで我々が学ぶべきことは「リーダーは常識に囚われない豊富なアイディア」が重要ということです。
私の前職社長で経営の師匠でもある故田辺昇一氏は常日頃「経営者はアイディアマンでなくてはならない」と語っていました。
当時の私は「アイディアと言ったって…」と思い浮かばず苦しんでいました。
しかし、その後創業経営者として26年経った現在では自分はアイディアマンだと自信を持って言えます。
若い頃は「アイディアは才能」と思っていましたが「アイディアは誰もが可能なスキル」だということに気がついたのです。
アイディアを出すツールやテクニック・思考法等は様々有りますが、コツは「深さ」と「長さ」だと私は感じています。
先ず「深さ」ですが、これは考える深さを指しています。
少しでも「誰かが考えてくれる」と思った途端に良いアイディアが生まれる可能性が消失します。
「自分が見つけなければならない」という必死さがアイディア発想の第一条件です。
次の「長さ」ですが、これは考えている時間の長さを指しています。
食事をしていても、お酒を飲んでいても、テレビを見ていても、シャワーを浴びていても頭のどこかで常に考えている人には、ある時神様が降りてくるものです。
会議の時に突然考え始めても良いアイディアは生まれないものです。
変革は方向性を間違うと「大改悪」となり失敗と成りかねませんのでボトムアップで行うのは難しいです。
また、先程ご紹介したアイディアの「深さ」と「長さ」を社員に要求するのも酷な話です。
つまりDXは経営者自ら考える必要があるのです。
デジタル技術を活用し「競争力が高まるビジネスモデルを構築できないか?」「組織がガラッと変わる変革ができないか?」「社会が変わるような活用法がないか?」等を考えることは我々経営者の仕事なのです。
次回からは信長の変革を引用して弊社ワイズコンサルティング・グループのDX事例をご紹介してゆきます。
皆様のDXのヒントに繋がれば幸いです。
吉本康志
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