《新型肺炎》第2回 顧客非接触型ビジネスの探求/台湾


コラム 経営 作成日:2021年6月4日

~集中特別連載~テレワーク中の経営者と考える「新型コロナ後の対策」

《新型肺炎》第2回 顧客非接触型ビジネスの探求/台湾

記事番号:T00096538

●経営理論について

 20代前半でボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に出会った時は目からウロコの衝撃でした。

 素晴らしい経営フレームワークだと感動して鳥肌が立ったのを今でも鮮明に覚えています。

 その後20~30歳代は最新の経営理論を貪るように学んできましたが、今は殆どその手の専門書を読んでいません。

 それは新たな経営理論は経営者達が知恵を絞って開発した方法を誰もがわかるように数年後学者やコンサルタント達がまとめたものだと気がついたからです。

 幾つか例を挙げると「コンテンツ・マーケティング」は2010年代中盤から流行ってきましたが、弊社では2000年には既に実行していました。

 Adobeで有名になった「サブスクリプション」も弊社では2000年ごろから考え始め、2003年には立ち上げていました。

 最新の経営理論は学ぶものではなく、経営者が自社に最適化するよう試行錯誤しながら創り出すものだと気がついたのです。

●顧客非接触型ビジネスを考える

 さて前回の最後に掲載した「来年感染拡大になっても生き残れるビジネスモデルはどうあるべきか?」について弊社の事例を交えながら数回に渡り皆さんと一緒に考えてゆきたいと思います。

 「わが社はサービス業ではないので当てはまらない」「ワイズは吉本のオーナー企業だからできる」と考える方もいらっしゃると思います。

 しかし何も変えなければ今後も感染症が流行る度に同じ轍を踏むことになります。

 中国語には「因禍得福」ということわざがあり、日本語では「災いを転じて福となす」の様なニュアンスです。

 出来ない理由を考えるよりも「ピンチをチャンス」と捉え、経営という芸術を楽しみながら一緒に創り上げてみませんか?

●長く変革のない業界

 コンサルティング業界は1886年創立のアーサー・D・リトルから始まっていると言われています。

 それ以来100年以上にわたりコンサルティング業界のビジネスモデルはほぼ変わっていません。

 2003年SARSに苦しんでいた当時の私は「ITがこれだけ普及・発達し、クライアントに変革を求めるコンサル業界が何故自分たちは100年間も変わっていないのか?」ということに疑問を持っていました。

 長くビジネスモデルが変わらない業界は言い換えるとビジネスモデルの完成度の高い業界、強いビジネスモデルを持つ業界といえます。

 でも考え方を変えると長く変わっていないからこそ「従来のビジネスモデルを革新できる機会がある」と感じたのです。

 とはいえ当時の弊社は資金もなく、社員も私と家内の二人しかいない超零細企業でした。

 「お金があれば…」「資金があれば…」「人がいれば…」など経営資源があれば色々考えつくことも、限られた条件でできそうなアイディアは浮かびません。

 資金もそろそろ底をつき「もう駄目かも…」と考えていたその時、ひょんなことから一つのアイディアが生まれたのでした。

●コンサルティング業の真髄

 SARSの件とは別に、創業間もない頃の私はもう一つ疑問を持っていました。

 コンサルタントとして優秀な人と成功している人は別で、何故優秀な人達が成功しないのだろう?ということです。

 この疑問はコンサルティング業で起業した私にとって切実な問題でした。

 コンサルタントとして有名な大前研一氏、船井幸雄氏(船井総研創業者)、田辺昇一氏(タナベ経営創業者)と他の優秀なコンサルタントとの違いを考えていました。

 上記三氏の共通点は頭が良いのは当然として「文章がわかりやすい」「英語ができる」という点でした。

 田辺昇一氏は「財務指標分析」を、船井幸雄氏は「オペレーションズリサーチ」を大前研一氏は「経営のフレームワーク」をそれぞれ日本語で広めた人といえます。

 皆と同じモノを見て同じことを考えていれば同じ様な発想しか生まれません。

 成功しているコンサルタント達は「海外の考え方や仕事のやり方」を日本に取り入れた人、突き詰めると経営コンサルタントとは「ビジネスの翻訳・伝道者」ではないかと考えたわけです。

●労務顧問会員サービスの発想

 「ではそれをわが社に当てはめてみるとどうなるか?」を考えてみました。

 「日本のビジネスのやり方を台湾に伝える」というコンセプトではタナベ経営、船井総研、ジェムコ日本経営等が既に行っていて、皆失敗していました。

 「日本ビジネスを台湾企業に」が上手くゆかないのなら「台湾ビジネスを日本企業(日系企業)に」というコンセプトで考えてみました。

 私も元々駐在員でしたし、クライアント様が共通してお困りだったのは「台湾事情がわからない」ことでした。

 特に労務問題については「法律」「法律の解釈」「労働条件」「他社事情」「文化」等どうなっているのかが不明で当時の日本人駐在員の間では「日本人の管理部長は絶対成り立たない」と言われていたほどです。

 そこで思いついたコンセプトは「台湾の労務情報を日本語で伝えたら喜ばれるのでは?」というアイディアです。

 これをITを活用し「顧客非接触型」で提供できれば来年SARSが再来したとしても痛手にはなるが生き残れると考えたのです。

 こうして生まれたのが現在では弊社の主力サービスの一つである「労務顧問会員」です。

 本サービスは会員様は弊社ウェブサイトで「労働関係法令」「労働関係ニュース」「裁判の判例」「Q&A」が日本語で閲覧し放題、メールで日本語の労務相談がし放題というサービスです。

 「在台日系企業の日本人管理部長を生み出す」をスローガンに2003年のサービス開始時にセミナーでご紹介すると反応がよく、直ぐに20社もの企業からご契約を頂きました。

 その後18年を経て2021年の現在では150社を超える在台日系企業の皆様にご利用頂き、毎日多くのご相談を頂いております。

Q:貴社では顧客非接触型ビジネスモデルを構築できないでしょうか?

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吉本康志

吉本康志

Executive Consultant

日本の大手コンサルティングファームの駐在員として台湾駐在、1996年11月にワイズコンサルティングを設立。経営者としてコンサルタントとして男としてもまだまだ成長中。

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