記事番号:T00128559
皆様、こんにちは。経営者の「思考時間」をサポートするワイズ独自調査コラムです。今回からスタートする「主要都市発展シリーズ」では、台湾産業の転換に合わせて劇的な変化を遂げている各都市の最前線に切り込みます。トップバッターは、台湾産業の「原点」であり、現在「最先端」へと猛烈なV字回復を見せている南の雄、「高雄」です。
「重化学工業の街」から「南部半導体S字回廊」の中核へ
1960~70年代にかけて、加工出口区や重化学工業で台湾経済を強力に牽引した高雄ですが、1980年代以降は新竹サイエンスパーク(竹科)を中心とするIT産業に主役の座を譲っていました。しかし2023年、台湾のハイテク地図が塗り替わりました。TSMCの最先端工場(5ナノ・3ナノ)の稼働により、南部サイエンスパーク(南科)の売上高が、歴史上初めて竹科を逆転したのです。
現在、国策である「大南方新矽谷(南部シリコンバレー)計画」のもと、TSMCの2ナノ工場(高雄)をはじめ、半導体材料から先進パッケージングまでを網羅する「南部半導体S字回廊」が形成されています。かつての重工業都市は、今や「世界のAI・EVを支える最先端半導体の心臓部」へと完全に変貌を遂げました。
「アジア新湾区」へ集結する世界のビッグテックとAI産業
高雄の進化は半導体製造にとどまりません。市政府主導による大規模な都市再開発「亜洲新湾区(アジア・ニューベイエリア)」プロジェクトにより、かつての港湾エリアは「AI・5Gスマート産業パーク」へと生まれ変わりました。現在、NVIDIAやFoxconn(鴻海)がAI研究開発センターを設置しているほか、AWS、Microsoft、IBMなど国内外のグローバル企業が次々と拠点を構えています。

さらに、南部一帯のサイエンスパークを連携させ、AIロボットやドローンの研究開発・量産拠点とする新たな産業クラスター構想も本格始動しており、ハードウェア製造からシステム統合(AIoT)への高度化が急ピッチで進んでいます。
「メガコンサート経済」の爆発による消費の底上げ
ハイテク産業の南下は、消費やサービス業にも強烈な波及効果をもたらしています。高雄市は近年、メガコンサートの誘致に戦略的に注力し、ONE OK ROCK、ブルーノ・マーズ、SUPER JUNIOR、BLACKPINKといった大物アーティストの公演が相次いでいます。
2023年から2025年にかけての累計開催数は400回を超え、500万人を動員、100億台湾元以上の莫大な観光波及効果を創出しました。国内外からイベント客やビジネス客が大量に流入することで、2025年の宿泊率、外国人客増加率、宿泊業総収入の成長率において、高雄は主要6都市のトップに躍り出ています。
経営へのヒント:過去のイメージを捨て、新たな成長エンジンを狙え
高雄を中心とする南台湾は今、国策によるインフラ投資、AI・半導体産業の集積、そして観光エンタメの隆盛が同時進行する「台湾で最もホットなエリア」です。
半導体やロボット・ドローン関連のB2B領域での進出はもちろんですが、今後は高所得層や海外からのイベント客の流入に伴い、B2C領域でも巨大なチャンスが生まれます。過去の「工業都市」という固定観念を捨て、新たなビジネス拡張の舞台として高雄市場のポテンシャルを再評価するべきタイミングが来ています。
・B2B(製造・技術領域)
半導体サプライチェーンやロボット・ドローン産業の集積地として、現地パートナーとの協業や拠点進出を検討する。
・B2C(小売・飲食・サービス領域)
ハイテク新貴(高所得層)の増加や、海外からのイベント客の流入を狙い、中南部市場の「攻めの拠点」として再定義する。
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