記事番号:T00003184
今回から特別連載コラムとして「Y’sの経営塾」を掲載致します。
本コラムは、
1.台湾起業編
2.小規模事業成長編
3.経営戦略編
という内容で、6週間にわたり連載する予定です。
「1.台湾起業編」では「台湾で起業を考えている人や既に起業している人に向けて、事業を軌道に乗せるためのコツ」をご紹介致します。
「2.小規模事業成長編」では、「従業員10人未満の規模の経営者に向けて、事業を成長させるポイント」をご紹介していきます。
「3.経営戦略編」では「身近な事例を基に、経営のフレームワークの簡単な活用法」についてご紹介していきます。
●台湾で起業を考えたことはありますか?
駐在、台湾人との結婚、留学など、台湾にお住まいの日本人の皆さんも一度は「台湾で起業するなら…」と考えたことはあるのではないでしょうか?
私はもともと駐在員として台湾に赴任してきたことが、台湾に住むきっかけでした。
その頃は同僚や友人と飲む度に「台湾でこんなビジネスで起業できないだろうか…」と、いつも夢を語っていたものです。
今思い起こすと笑ってしまう程度のアイディアでしたが、当時は真剣に考えていたものです。
それから数年後、勤めていたコンサルティング会社の台湾撤退を期にコンサルティング業で起業し、昨年10周年を迎えることができました。
その間コンサルタントとして多くの方の起業に携わりながら、成功・失敗事例を拝見してきました。
今回のテーマでは、「将来台湾で起業を考えている方」や「既に台湾で起業されている方」に向けて「台湾で起業する際に失敗しないポイント」について、皆さまと一緒に考えていこうと思います。
●起業成功の定義
起業するだけなら誰でもできますが、成功できるのはほんの一握りの方たちだけです。
では、何をもって「起業が成功した」と言えるのでしょうか?
起業を夢見る方や、既に起業している方から、「成功者ですね」と言われることがあります。
いつも苦笑してしまうのですが、それは私自身は「失敗しているとはいえないものの、成功はしていない」と思っているからなのです。
「食べていけるだけで成功」「長く続けば成功」「売上○万元あれば成功」など、起業成功の定義は人によりさまざまです。
しかし多くの起業家たちを観察した結果では、「小さな目標や志では失敗する確率が高い」ということが言えそうです。
たぶん大きな夢を持ち、必死にチャレンジを続けることで、やっと起業が軌道に乗るからではないでしょうか?
そもそも信用も資金も人材もブランドも無い状態で、経営資源の豊富な既存企業に挑んでいるのですから、普通に努力する程度では相手になる訳がありません。
寝食を忘れて必死になることで、やっと既存企業に「挑戦する資格」が与えられるのです。
私は「アジアで一番信用されるコンサルティングファームになる」(アジアのマッキンゼイを創る)という志を持って起業しました。
最近では社員たちも「もしかしたらいつかはできるかも」と思ってくれているようですが、起業当時は周りの人に「頭がいかれてる」と思われてました。
「あなたの夢にはついていけない」と辞めていった社員もいましたし、採用面接の時に熱く語ったせいで、その後来なくなった人もいたほどです。
自分の思い描く「アジアのマッキンゼイ」と現在のわが社とを比較すると…
やっぱり口が裂けてもわが社は成功とは言えませんね。
●起業への格言1
「志は大きく持つ」
ワイズコンサルティング 吉本康志