第3回 台湾起業の資金繰り


コラム 経営 2007年10月22日

ワイズの経営塾 台湾起業編

第3回 台湾起業の資金繰り

記事番号:T00003263

 
駐在員A「やっぱり起業するとお金の面で苦労は多かったのでしょうね?」
 私  「そうですね。お金を借りられないので、資金繰りには注意しなければなりませんでした」
駐在員A「えっ?ということは無借金なのですか?」
 私  「ええ、そうですよ」
駐在員A「私は起業家といえばたくさんの借金を背負っていると思っていましたが…」 

 起業のタイプがどういうものかにもよりますが、外国人は原則として不動産などの担保がない限り銀行からの借入はできません。ですから日本人が個人で台湾で起業する場合には、「銀行からの借り入れはできない」と考えておく必要があります。

●無借金経営のデメリット

 「無借金経営」とは聞こえは良いですが、裏返せば「積極的な経営や、大きなビジネスはやりにくい」ということになります。

 設備投資や人材採用などの投資は全て営業キャッシュフローの範囲で行わなければなりません。つまり、いくら損益計算上で利益が出ていても、仕入→(製造)→販売→回収→現金のサイクルが長いビジネスは成り立ちにくいということです。

 その他にも、天災事変などに備え、常に余分な資金を用意しておかなければなりません。なぜなら、「現金ゼロ=倒産」なのですから…。万が一に備えた資金を差し引いた手元資金の範囲で経営を行うわけですから、当然成長も遅くなりがちなのです。

 わが社の場合も、創業以来毎年平均40%超の成長率で成長していますので、経営学からいえば「積極的に資金調達をし、さらに高い成長を狙う」のがセオリーですが、それは難しい状況です。「もし銀行からの借り入れが可能だったなら」、最低でも「万が一に備えた資金を活用することができたなら」と、いつも悔しい思いをしています。

●無借金経営をするために

 無借金経営をするためには業種選びが重要となります。
 ポイントは次の二つです。

・粗利率が高い業種
・キャッシュインのタイミングが早い業種

 この原則に当てはめると「製造業」や「卸売業」「高価な商品を扱う小売業」「テナントとしての小売飲食業」は難しいといえます(難しいだけで不可能ではない)。逆に、仕入れが無い「コンサルタント」や「人材ビジネス」「HP制作」「システムメンテナンス」などのサービス業や、現金商売である「飲食業」等は売り上げさえ上がれば、「資金繰りに苦労しない業種」といえます。
 
 ちなみに、私が台湾で起業経験のある「コンサルティング業」「飲食業」「ニュース配信業」は全て「キャッシュリッチ」、すなわち資金繰りが楽な業種になっています。逆に「キャッシュプア」(資金繰りが苦しい)業種を選ぶと、売上が伸びれば伸びるほど資金が苦しくなり、損益計算書上は利益が出ているのに資金が回らないために倒産する「黒字倒産」になりかねません。

●起業への格言3

  「業種を選んだ時点で資金繰りの苦労は決まっている」

ワイズコンサルティング 吉本康志

 

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