記事番号:T00003725
子供が3歳の時に買ってあげた靴を5歳になっても履かせるのは無理がありますし、5歳の時に買ったシャツを10歳まで着せるのも無理があります。
人間は成長に伴い、衣服のサイズを変えていますが、これは会社に言えることなのです。
会社に、いつまでも同じサイズの靴を履かせていませんか?
●成長に伴い器を変える
社員が10人の時に賃貸したオフィスは、社員が30人になる前に引っ越しするはめになります。
どんなに内装にお金を掛けたオフィスでも、社員が増えるに従い手狭になり、もっと広い場所に引っ越さなくては入り切らなくなります。
これはオフィスに限ったことではありません。
「社内規則」「人事制度」「組織」「ネットワークシステム」「セキュリティー」等々、会社の成長に合わせてバージョンアップしなければならないことはたくさんあるのです。
例えば社内規則に関するだけでも。従業員が30人を超えると「就業規則を労工局に申請し、認可を得る義務」「セクハラ予防対策を用意する義務」が出てきます。
50人を超えると「福利委員会」を設立し、従業員福利金を積立てすることが法律で義務付けられます。
これらを実施しないで成長を続けても、いつか労働争議となる可能性が高く、非常に大きなリスクを背負うことになるのです。
わが社のネットワークシステムを例にとりますと、3人までの頃はパソコンをスタンドアロンで使っていましたが、5人を超える頃にはデーターを一元化する必要が生じ、私が簡単なネットワークを構築しました。
現在では専門家に委託していますが、もう数人社員が増えると、さらに大幅な投資が必要となります。
●次のボトルネックは何か?
瓶入りの飲み物を飲むとき、一番細い所から出る量以上に出てこないように、会社の成長は一番レベルの低いところまでしか成長しません。
このように会社の成長を阻害する要因を「ボトルネック」と呼びます。
ボトルネックは解消しても解消しても次々と現れ、経営活動を妨害しますので、先々を読んで解消し続けていくことが成長への要諦です。
わが社の「現在のボトルネックは何か?」「将来のボトルネックは何か?」を経営者は常に把握し、対策を打つ必要があるのです。
●1・3・5の壁
一般的に、成長には「1・3・5の壁」という原則があります。
3人の時のシステムは5人になれば変えなくてはなりませんし、5人の時のシステムは10人になれば変えなくてはボトルネックとなってしまいます。
ボトルネックの対象はオフィスやシステム・備品等の見えるモノから、制度や規則、幹部の能力など見えないモノまで多岐にわたります。
「1・3・5の壁」という原則を知ることによって、次のボトルネックも予想がつきます。
社員たちに「わが社のボトルネックは何か?」と尋ねたら「それは社長です」と言われぬようにしたいですね(^_^;)。
●小規模企業成長の原則⑤
「ボトルネックは先手で解消する」
ワイズコンサルティング 吉本康志