記事番号:T00001011
●前回のあらすじ
1999年5月、台湾の地方都市である台中で起業を決意した吉沢夫妻は、当初考えていた「おにぎり屋」を諦め、「日式焼き肉店」を経営することにしたのだった……。
●吉沢夫妻の仰天プラン
7月には吉沢夫妻の新会社設立となり、店舗も決定していた。
弊社の業務は一応ここで終わりとなるが、吉沢夫妻から仰天プランを聞かされ、放っておけなくなった。
その仰天プランとは、内装で他店と差別化を計るため、内装にはタップリとお金を掛ける。
その為夫婦で東南アジアを周り、面白い雑貨を集めてくるのだという。
台中では「日式焼き肉店」は吉沢夫妻の店が初めてであり、現在は競合どころか、マーケット自体が存在していない。
なにより起業の際は、万が一の為に備えて現金は少しでも多く手元に残した方が得策である。
そこで、吉沢夫妻とどれくらい現金が必要かをシュミレーションしてみることにした。
●キャッシュフローシュミレーション
単月損益を「好調(A)、普通(B)、不調(C)」でシュミレーションし、他の焼き肉店の売上を参考に、季節指数を計算した。(単位:台湾元)?
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上の二つの図表に基づき、キャッシュフローをシミレーションしたのが、下図である。(単位:台湾元)
上図には吉沢夫妻の給料は含まれておらず、夫妻の給料を10万元に設定すると、Case Cでは現金が続かず、Case Bでもぎりぎりであることがわかる。
当然アジア各国の雑貨買い付けは中止にし、内装と設備の費用を見直しすることにした。
内装には出来るだけお金を掛けずに、設備は中古品を調達することによって150万元が70万元に削減可能になった。
これで一応は上手くゆきそうであったが、世の中そんなに甘くはなく、夫妻には
「過酷な試練」が待ち受けているのだった…
③につづく
http://www.ys-consulting.com.tw/column/index.php?action=1&tno=1082
ワイズコンサルティング 吉本康志
※本コラムはフィクションであり、特定の個人及び団体の事実ではありません。