記事番号:T00000897
●台湾で起業のチャンスは?
駐在をしている方なら誰でも一度くらいは「俺も起業して一旗揚げてみようかな?」と思うことはあるでしょう。今回は、そう考えて起業した日本人夫妻の事例をご紹介し致します。
●ある日本人夫婦の挑戦
1999年5月、ここは台湾……。
ある日、知人の紹介で吉沢夫妻が訪ねてきた。
「台中で店をやりたいので、会社設立登記とワーキングビザ取得をお願いしたいのですが…」と、ご主人が切り出した。
吉沢夫妻は仕事の事情で台湾に赴任してきていたが、日本の親会社が突然倒産してしまった。
台湾に残された吉沢氏は、日本に帰ってもこの不景気では良い仕事は見つかりそうもないので、夫婦で起業する事を決めたのだった。
●夫婦のビジネスプラン
吉沢夫妻は「少ない投資でできるビジネス」として、「おにぎり屋」を行うつもりであった。
奥さんは日本人の婦人会に友達が多くいたので、その人脈を活かし、日本人の子供が通う幼稚園や日本人学校向けにおにぎりを販売するというアイディアであった。
これなら自宅で出来るので、設備投資もほとんど掛けないですむというプランであった…
●あまいビジネスプラン
コンサルティングの依頼は頂いていないが、同じ日本人として苦労がわかりきっている事を見過ごすわけにはいかなかった。
かと言って、依頼されていないのに否定しても聞き入れては貰えないだろう。そこで、「ちょっと試算してみましょう」と提案し、ノートに一緒に収支を試算してみた。(下図参照)
「…どう考えても夫婦二人が暮らすのに充分な収入にはなりそうもないですね」とご主人は気づいてくれた。
●代替え案
お二人の過去の経験を伺ってみると、ご主人は「学生時代焼き肉屋でアルバイトをしていて店を任されていた」。
奥さんは「結婚前まで販売員をやっていたので接客には自信がある」ということだった。
その頃、台北では「日式焼き肉」(日本式の焼き肉)が流行っていたし、何よりご夫婦が「一番自信の有る」分野だったので焼き肉屋で起業する事に決定した。
吉沢夫妻は早速、店舗を探し始め、同時に弊社では会社登記申請を急いだ……。
②につづく
http://www.ys-consulting.com.tw/column/index.php?action=1&tno=1011
ワイズコンサルティング 吉本康志
※本コラムはフィクションであり、特定の個人及び団体の事実ではありません。