ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00107132

＜登場人物＞

ワイズシステム副総経理　宇都宮武則

本コラムの筆者です。

台湾S電工　山田新一総経理

1978年千葉県生まれ、上場企業Ｓ電工の営業企画課長から2018年に総経理として初めての海外駐在。２児のパパ、趣味は車で台湾各地を家族旅行すること。

前回までのお話

https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

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kintoneのカバー範囲

　台湾L工社の台南工場の会議室です。真田協理から話のあった2つの前提を踏まえてシステム構築の範囲を整理してゆきます。

前提1：kintoneのシステムは台北支社と台南工場をつなげます。

前提2：スタッフには許可制で自分の業務アプリ作成を行わせます。

真田：再度システム構想図を御覧ください。（図A）

図A　台南工場システム構想図

　白地の箇所はL工社の自社開発システムです。今回kintoneを活用するのは黄地の箇所です。なお物流設備（自動搬送機、自動倉庫、出荷仕分機）を山田総経理の台湾S電工が納入します。

真田：kintoneの守備範囲は「顧客／販売」「人事総務」「会計」と決めました。

古代：「顧客／販売」の分野は、台北支社とつないで台北側で処理される受注情報から連動できるようにします。

　山田総経理が理解しましたとばかりに深くうなずきました。

真田：次に「人事総務」分野ですが、kintoneにも出来合いの給与計算パッケージはあるのでしょうか？

　宇都宮はどのように回答すべきかを少し考えを巡らせてから。

宇都宮：はい、ございます。ですが、どのような企業にも合う汎用的な製品ではありませんので、貴社の要件に合わせた改造を施す想定です。

真田：分かりました、それで十分です。裏を返せば弊社の特別な要望も反映できるということですから。

山田：柔軟に対応いたします。

真田：それでは「会計」はいかがでしょうか？

宇都宮：1つ質問させてください。中国語と日本語の財務諸表を作成されますか？

真田：中国語は必要ですが、日本語は本社で作成しますので必要ありません。

宇都宮：分かりました。

真田：本社へデータを渡すことは可能ですよね？

宇都宮：kintoneの会計パッケージをご用意できます。本社へのデータは本社側が取り込みやすいフォーマットに変換して会計データを渡します。

真田：それは助かります。本社へシステム改造を依頼しなくて済みますので。

　給与と会計の話が済むと、

山田：お聞きしますが、前提2にありますスタッフがアプリを作るというのは、どの分野を想定していますか？

真田：そうですね「顧客／販売」と「人事総務」の分野ですかね。

古代：スタッフへのアプリ作りの教育訓練もお願いしたいです。

山田：もちろんお任せください！手厚くやらさせていただきます。

　自信ありげに言いましたが、山田総経理が教えるわけではないので、宇都宮は苦笑いをしました。

　それらの話を真田協理が簡単な表にまとめて確認をしました。（図B）

図B　システムと担当

古代：真田……、切りが良さそうなのでそろそろどうでしょう？

　真田協理は軽くうなづきました。

古代：今晩は手厚く饗すよう、沖田より申し遣っております。５時半に夜景の美しい海辺の海鮮レストランを手配いたしております。

真田：お食事をしながら私どもの想いを伝えられたら幸いです。

　そうポーカーフェイスで話すところが真田協理の生真面目な性格を表していました。

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