記事番号:T00001270
●前回までのあらすじ
電子部品メーカーS社の台湾法人はS社の部品の台湾市場への輸入販売業務を担っていたが業績は低迷していた。
台湾法人立て直しの命を受けた武澤氏はどうすれば競争力強化につながるかを模索していた…
●顧客の事は顧客に聞け
考えあぐねていた武澤氏は、セミナーで知り合ったコンサルタントに相談し、「競争力強化のための戦略づくり」というテーマで企画書作成を依頼することにした。
後日、コンサルタントから提出された企画内容は「顧客満足度調査により競争要因を見つけ出す」という内容であった。
武澤氏は「なるほど、顧客の事は顧客に聞けということか」と理解し、依頼してみることにした。
コンサルタントから提案された企画では、今回の内容は3つのステップで成り立っていた。
第1回目の途中報告では「競争できる価格の発見」、第2回目の報告で「価格以外の競争要因の発見」とし、その後プロジェクトチームにより第2回目の報告を基に「競争力強化につながる戦略の立案」を創出するというものである。
●報告、第1回目
調査実施後、1週間程度で第1回目の報告があった。
今回の顧客満足度調査によると、台湾S社の価格は、顧客の購買意欲が急激に減少するプライスゾーンに位置し、最低価格Aまで値下げしなければ本マーケットのプレイヤーとなることも許されないことが科学的に証明されたのだった。
早速武澤氏は今回の資料を基に日本へ出張し、本社と値下交渉に入った。
その間コンサルタントは第2回の報告テーマである「価格以外の競争要因の発見」の分析を急いだ…
((3)に続く)
http://www.ys-consulting.com.tw/column/index.php?action=1&tno=1357
ワイズコンサルティング 吉本康志