記事番号:T00001357
●前回までのあらすじ
電子部品メーカーS社の台湾法人はS社の部品の台湾市場への輸入販売業務を担っていたが業績は低迷していた。
総経理の武澤氏は顧客満足度調査の第1回報告を得て本社と値下げ交渉を行った…
●本社との値下げ交渉
武澤総経理は第1回目の報告書をもとに本社と価格交渉をしていた。(前回参照)
本社との検討の結果は、「S社の製品は台湾の製品より高品質なので価格だけで競争力がつく価格Bより安くするのは無理だが、競争するための最低条件である価格Aまでの値下げは可能」ということになった。
但し、価格Aまでの値下げだけでは競争力が無いので「価格以外の競争要因」を見つけ出す必要があった。
●第2回報告
武澤総経理が本社への出張から戻って数日後に第2回目の報告テーマである「価格以外の競争要因」についての報告があった。
図のグラフは、縦軸は「顧客の購買意欲」を、横軸は「顧客満足度」を表している。
また、各線の矢印の示す場所はS社のポジションである。
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これに調査した各要因のデーターから感度の良い要因、つまり「顧客満足度を高めると急激に現在より購買意欲が高まる要因」を抜き出している。
●価格以外の競争要因
太い黒い線が価格を表しており、このグラフから価格以外にも満足度を高めれば購買意欲が高まる要因、つまり価格以外の競争要因が複数存在していることがわかる。
S社の場合はそれが「営業員の専門性」「営業員の提案力」「製品の種類」「納品期間」であった。
次のステップでは、これらの複数の要因を同時に実現する「戦略」を創りだす必要が有る。
(4)に続く
http://www.ys-consulting.com.tw/column/index.php?action=1&tno=1488
ワイズコンサルティング 吉本康志
※本コラムはフィクションであり、特定の個人及び団体の事実ではありません。