Karte5:コンサル失敗①


コラム 経営 2007年11月30日

コンサルタントの企業カルテ コンサル失敗案件

Karte5:コンサル失敗①

記事番号:T00004055

 
 いつも「新・コンサルタントの企業カルテ」をご覧の皆さまは、「いつもそんなに上手くいくのだろうか?」とお感じの方もいらっしゃると思います。当然ながら、稀には失敗するケースもございます。
 
 今回は、弊社で行ったコンサルティングの中で一番の失敗事例をご紹介致します。
 
●共同コンサルティング
 
 ある日、日本の有数のAコンサルティングファーム(以下Aコンサル)から連絡があった。その内容は「今度、台湾のB財閥が経営しているC百貨店D店の業績向上コンサルティングを行うことになった。ついては協力してほしい」というものだった。

 Aコンサルは日本で有名な流通業のコンサルティングファームで、流通業関係では何度か一緒に仕事をしたことがあった。過去のコラボレーションのパターンは、弊社が依頼を受け、弊社が主体となってAコンサルに協力を仰いでいたが、今回は全くの逆パターンである。
  
●Aコンサルとの打合せ
 
 Aコンサル側からは、中国語と日本語のできる流通業に詳しいコンサルタント1人と通訳2人を提供してほしいとの要望だったので、私と2人の通訳がプロジェクトのメンバーとして参加した。
 
 コンサルティングの方法は、Aコンサルが加藤氏と前田氏の2人のコンサルタントを派遣し、弊社と共同で毎月4日間、一年間にわたりコンサルティングを実施するというものである。

 クライアントとAコンサルの合意事項として「1年後の売り上げは昨年対比で20%増にする」という成果保証をしていた。

 私が「事前のリサーチとか診断は行わないのですか?」と尋ねると「リサーチや診断を行うのは素人コンサルタントだ。我々はベテランなので、そんな必要はない」との回答だった。

 Aコンサルのコンサルタントたちは皆、一つあるいは二つの業種を専門にコンサルティングしているので、ベテランのコンサルタントは各業種について知りつくしているそうである。
 
●プロジェクト開始

 いよいよコンサルティングが始まり、C百貨D店の幹部と1回目のミーティングが行われた。そしてその夜、C百貨店の幹部に連れられてD市の競合を視察に行ったのだった…
 
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 そこで我々が驚いたのは、C百貨D店の隣には、売り場面積が3倍のE百貨店、少し離れてやはり売り場面3倍の日系F百貨店が存在するのである。しかも1年後にはF百貨店の向かい側に日系のG百貨店が同じく3倍の面積で出店し、2年後にはF百貨店の少し先に、売り場面積8倍のH百貨店が出店するということが分かった(上図参照)。
 
 「これでは無理だ…。」

 昼のミーティングでは威勢の良かったAコンサルの加藤氏が元気なくつぶやいた…。

<解説>

 台湾人のクライアントからは「診断/リサーチ等まどろっこしいのはいらないから、即指導してほしい」という依頼が多い。しかし、今回のケースのように、現状把握をしないままコンサルティングを始めるのは非常に危険である。
 
②につづく
 
ワイズコンサルティング 吉本康志
   
※本コラムは事実を基にしていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個人および団体が特定できないようにしています。
  

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