Karte5:コンサル失敗③


コラム 経営 2007年12月7日

コンサルタントの企業カルテ コンサル失敗案件

Karte5:コンサル失敗③

記事番号:T00004213

 
 Aコンサルとのコラボレーションで、B財閥C百貨店D店の売上高を一年後に20%UPさせるコンサルティングが始まっていた。コンサルティング第1回目の2日目に入り、各コンサルタントは担当別に別れてコンサルティングを実施することになった…

●Aコンサルのコンサルティング

 Aコンサルのコンサルティング手法なのかもしれないが、全体方針が無く個人技能のみに頼ったコンサルティングには非常に不安を持っていた。2日目の午前中は3つのチームとも現在の業績確認と現場指導を行っていたが、午後はそれぞれ全く違うアプローチをとっていた。

 加藤氏は、得意の分析から新しい明確なコンセプトづくりについて説明し、討議していた。前田氏は日本の小売業界事情や販促テクニックなどを豊富な事例を盛り込みながら紹介していた。

 両者ともさすが小売業専門で数十年コンサルタントをやってきただけあり、休憩時間が長ければ私も聞いていたい内容だった。当然D百貨店の社員も目を輝かせて聞いており、次回からは他店の幹部も聞きに来るほどだった。
 
●成果を目指すコンサルティング

 3つのグループの中で一番モチベーションの低かったのは私が担当したグループだった。その理由は、私は彼らが聞いて喜ぶような話はほとんどせず、ひたすら「この店舗の売り上げを上げるにはどうしたら良いか」を考えさせ、対策と期限を明確にし、次回実行状況をチェックするという苦痛を与えていたのだった。

 弊社ではこの頃、本ケース以外でも台湾小売業のコンサルティングや講演などをしていた。その経験では、当地のMD力は日本よりはるかに遅れており、新しいコンセプトや他社事例を話しても、それを自分達で消化し、実行できるほどのレベルにはないことを知っていたのだった。

 これがセミナーや講演などの業績責任を負わないプロジェクトなら喜ぶ話をしても構わないが、我々は業績を上げなければならないのだ。
 
●台湾の百貨店事情

 相手はリスクを背負って商品を仕入れている小売業ではなく、百貨店のフロアーマネジャーである。

 台湾の百貨店業界は全てテナント方式で自社売り場は存在しない。フロアーマネジャーと言っても実際はフロアー店舗の監督者でしかない。

 要は「小売業というより不動産業」に近い業種で、MDの基本すら知らない人たちにいきなり応用の話をしても業績にはつながらないと考えていた。

 当然、加藤氏や前田氏にも状況は伝えたが、「俺たちはこの世界で何年食ってきていると思っているんだ」と、は変えるつもりはないようだった。
  
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 …3カ月後、相変わらず各コンサルタントの指導法はバラバラだった。そしてフロアー別の売り上げは上図の通り変化してきていた…

④につづく

ワイズコンサルティング 吉本康志
 
※本コラムは事実を基にしていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個人および団体が特定できないようにしています。
 

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