記事番号:T00004673
Aコンサルとのコラボレーションで、B財閥C百貨店D店に対し「売上を1年後に20%UPさせる」事を目標にコンサルティングを行っていた。
しかしAコンサル側は「講義的なコンサル」しかしていなかったので、開始3カ月までの業績は伸び悩んでいた…
●3カ月後の状況
コンサルティング開始から3カ月がたったが、売上は相変わらず前年比を割っていた。特に1~3Fでの売上構成比は全体の5割を占めていたため、他のフロアーによる多少の売上増は、1~3Fの売上減で簡単に吹き飛んでしまうのであった。
「こうなったらオンリーワンの売場をつくり、集客力を高めよう」とプロジェクトリーダーの加藤氏が提案し、Aコンサル側もやっと今までの講義形式のコンサルティングを変える方向に変わってきた。
ただし、今年は改装予算を設定していないので、改装はしないという前提で「オンリーワン売場づくり」を目指すことになった。
●これがオンリーワン売場?
フロアー別に「オンリーワン売場づくり」に着手し、改装のコンセプトと状況は次の通りであった。
なんとAコンサルの2人が担当するフロアーは約束に反し、全て部分改装を行うことになっていた。しかもコンサルティングの重点である「オンリーワン売場」は、ほとんどの階では見当たらない。
「3Fは2Fと同じように改装し、回遊性を高めるのが最大のポイントだ」(前田氏)
「回遊性を高めるだけでは売上増加は期待できないのではないでしょうか?」(吉本)
「…俺は専門家だ。絶対いける」(前田氏)
「しかし…、2Fと3Fはエスカレーターの向きが逆ですので、この改装では回遊性はよけい悪くなります。そもそもオンリーワンの売場を創り、集客力を高めるのが目的ではなかったのですか?」(吉本)
「うるさい!若輩者の素人は黙ってろ!俺は20年もアパレルを専門にコンサルしているプロだ!この改装で絶対売り上げを上げてみせる!」(前田氏)
私と前田氏の議論が白熱し、一触即発の状態であったが、プロジェクトリーダーの加藤氏が間に入り、ここは女性衣料の専門家である前田氏に任せることになった。
●改装が終わり、3カ月後…
売り上げは相変わらず低迷していた。特にあれほど大見得を切った前田氏の担当する3Fの売上減は過去最悪になっていた…
⑤につづく
ワイズコンサルティング 吉本康志
※本コラムは事実を基にしていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個人及び団体が特定できないようにしています。