Karte5:コンサル失敗②


コラム 経営 2007年12月4日

コンサルタントの企業カルテ コンサル失敗案件

Karte5:コンサル失敗②

記事番号:T00004109

 
 日本有数のコンサルティングファームであるAコンサルとのコラボレーションで、B財閥C百貨店D店 の売上を一年後に20%UPさせるコンサルティングを引き受けた。クライアントの要望で事前のリサーチ無しで始めたが、競合店を見て実現は難しいと感じていた…
  
●C百貨店D店の現状
   
 C百貨店は、B財閥が数年前に破たんした某財閥から安く買い取った優良企業であった。土地/建物等の支払いは既に終わっており、C百貨店の生み出す豊富なキャッシュにより、今日までB財閥は発展を遂げてきたのである。中でもD店はC百貨の基幹店であり、B財閥にとっては現金製造装置の役割を担っていた。
   
 過去の台湾ではビルを建設してから用途を考えるのが一般的であったが、C百貨D店は台湾で初めて設計段階から百貨店専用のビルとして設計されたビルだった。また開業からしばらくはD市内では売り場面積最大の百貨店であり、D市内百貨店の中では長らく売上一番の座を維持していた。数年前、隣に売り場面積3倍のE百貨店が進出してきた時には、高級ブランドのテナント囲い込みにより、かろうじて一番店の地位を維持していた。
  
 つまずきが始まったのは、全面改装を行ってからである。C百貨店で全面改装を行う際にテナントから改装費を徴集したのだが、それを不服とするテナントがライバルのE百貨店に移ってしまったのである。小売業は原則として売り場面積が競争力に大きな影響を与えるので、優良なテナントの流出が始まると、競争力は急激にダウンする。
   
 その後日系のF百貨店が進出し、テナントの流出がさらに加速し、現在に至っていた…
    
●コンサルティング方針
   
 1日目の夜、コンサルタントたちはホテルで、徹夜でミーティングを行っていた。議題は当然ながら今後のコンサルティング方針についてである。
   
 その席で加藤氏と前田氏に「これは1店舗のマーチャンダイジング(以下MD)の問題ではなく、ホールディングカンパニーの投資戦略の問題です。百貨店を捨てて、小ささを活かし業種を絞り込むことで、その分野でD市No.1となる道を考えた方が良いのではないでしょうか?例えば自社MDをする道をとるとか、全館を飲食店ビルなど一つの業種に特化するとか…。MDを少しぐらい改善したところで、他店と競争出来るとは思えません」と提案してみたが、Aコンサル側からは「百貨店という業種のまま、MDだけで来年の売上を20%UPするのだ」と受け入れられなかった。
   
T000041091

 
 結局、その夜は各フロアーの業種別に担当を決め、今後は1日目の午前中は幹部を集めた全体ミーティング、午後は企画部と店長等関係者でイベント企画、2日目は担当別に分かれて担当業種を指導することに決定したのだった。(上図参照)
    
③につづく

ワイズコンサルティング 吉本康志
  
※本コラムは事実を基にしていますが、複数の事例を交えてストーリーを展開していますので、個
人及び団体が特定できないようにしています。

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