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第4回 伊勢丹台湾撤退のその後は?


コラム 経営 作成日:2008年4月3日

コンサルタントが斬る台湾ニュース 経済ニュースと経営

第4回 伊勢丹台湾撤退のその後は?

記事番号:T00006551

 
●伊勢丹、台湾撤退

 2008年4月2日のワイズニュースのトップニュースは「伊勢丹ブランド、台湾から消える」であった。
(http://www.ys-consulting.com.tw/news/index.php?action=1&tno=6550)

 日本では4月1日より三越と経営統合を果たしたばかりの伊勢丹だが、ワイズニュースの取材に対し「台湾市場は今や飽和状態にあり、今後は中国と東南アジアを中心に展開していく」と撤退理由を説明している。


●伊勢丹なき大立百貨の今後は?

 高雄地区の百貨店業界を把握するためにビジネススクリーンを使って分析してみた。

ビジネススクリーンは本来、自社の経営資源の分配を合理的に意思決定するために用いられるフレームワークだが、今回は業界内の競争力を把握するために、改良して用いた。

 本来のビジネススクリーンは、縦軸に「業界の魅力度」、横軸に「自社の強み」を採り、複数の指標から各事業のポジショニングを把握するのが定石だが、今回は「分かりやすさ」を重視し、縦軸に「今期の予想成長率」、横軸に「売り場面積」の単一指標を用いた。

円の面積は各百貨店の「年間売上高」を表している。
T000065511

 
 分析を見ると大立伊勢丹は小さな売り場面積にも関わらず、大健闘していることがわかる。

小売業の競争力を比較する場合、一般的にはランチェスターの法則を使い「売り場面積の2乗」で表される。

大立伊勢丹は、 日本の百貨店業界No.1のマーチャンダイジング力により、ランチェスターの法則を覆す力を保持していたことがわかる。

 今回の分析には含めていないが、競合には昨年開業で4万5,800坪の売り場面積を誇る統一夢時代、今年開業予定の漢神ドームSC(2万1,000坪)があり、さらに10年には新光三越左営店(約3万坪)が開業を予定している。

高雄地区ではすでに「売り場面積1万坪以下の百貨店は生存が難しい時代」になったといえる。

 大立伊勢丹百貨は「大立百貨」と看板を変え、営業を続けるが、伊勢丹のマーチャンダイジング力を失った今、将来も現在の売上高を維持するのは極めて難しい。


●経営とは…
 
 伊勢丹台湾撤退の記事を読んでいると、わが社の若手成長株である陳小姐が声を掛けてきた…

陳 :「老板(社長の意味)、何を真剣に見ているのですか?」

吉本:「創業当時、大立伊勢丹の総経理と会ったときのことを思いだしていたのだよ」

陳 :「へえ~、どんな想い出があるのですか?」

吉本:「当時の総経理に『経営とは一言で言うと何だと思いますか?』と聞かれたが、あの頃は私も若く、うまく言い表せなかったんだ。」

陳 :「ふ~ん」

吉本:「陳小姐はお客さまに同じことを聞かれたら、何て答える?」

陳 :「そうね…  老板を思い通りに操ること?」

吉本:「……(;^_^A」


ワイズコンサルティング 吉本康志


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http://www.ys-consulting.com.tw/seminar/index.php?action=1&tno=784

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