第7回 台湾の家電メーカーが危ない?


コラム 経営 作成日:2008年8月13日

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第7回 台湾の家電メーカーが危ない?

記事番号:T00009490

 
●歌林の不渡り

 2008年8月1日のワイズニュースでは「液晶TV失敗の歌林(コリン)、5千万元不渡り」と報じている。報道によると家電大手の歌林は、液晶テレビ事業に社運を掛けていたが、最大の顧客であり提携先の米シンタックス・ブリリアン(SBC)の経営破 たんにより、60億元の売掛金回収の見込みが立たなくなったとしている。

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●優良企業が経営危機?

 域内の家電大手4社の売上高と営業損益を3年間にわたり比較してみた(図1)。このグラフを見る限り、歌林は売上および営業利益も順調に成長し、経営状態は域内同業でも優良な状態を示している。「小規模な会社ならともかく、昨年の末まで優良企業であった上場企業が、半年程度で経営危機に陥るのはおかしい」と思い、家電大手4社の安全性分析をしてみた。

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●財務安全性の比較

 図2は四半期ごとの各指標の最良値を青、最悪値を赤で表している。見方を簡単に説明すると「青が多い企業は安全性の高い企業」で、「赤が多い企業は安全性の低い企業」となる。

 図2を見る限りでは、安全性の高い企業は「東元」で、安全性の低い企業は「大同」であり、「歌林」は東元の次に安全性が高く見える。

 しかし今回の経営危機の一番の原因は「売掛債権」であり、売掛債権の未回収が続けば短期の支払い能力を見るための「流動比率」や「当座比率」は高くなる。歌林の流動比率を見ると、過去には130%台であったものが、07年第2四半期から高くなっているものの、より正確な短期支払い能力を見る「営業CF対流動負債比率」は同時期より悪化している。つまり歌林は回収見込みの低いSBCに販売することで、帳簿上は売り上げと利益が計上されていたのではないだろうか?

●次に危ない家電メーカーは?

 粉飾決算をしていないという前提だが、上図を見る限り、東元の安全性は高く、声宝は既にリストラを終了していることがわかる。図1から分かるように、大同は圧倒的な規模を持つものの、営業活動からのCFが赤字で財務内容はぼろぼろだ。今回の世界的な不景気を乗り越えることはできるのだろうか…


ワイズコンサルティング 吉本康志


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