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● 台湾のお抱え運転手
日本では電車で移動されていた方でも、台湾現地法人の経営者になると、お抱え運転手付きの車が与えられる事があります。
「俺はそんなムダをしないようにバスとMRTを使っているぞ!」という方もいらっしゃるでしょうが、費用が許すのであれば運転手付きの車を使われた方が良いかもしれません。
経営者がバスやMRTを使っていると社員達は「総経理になってもバスやMRTに乗るうちの会社は将来性はないな」とか「努力して出世してもバスやMRTには乗りたくない」等と夢も希望も失ってしまうからです。
では、お抱え運転手の給料はどれくらいかと言いますと、総務部の社員として世間相場では月3~5万元位の様です。
日系企業経営者の運転手は「単なる運転手」が多いのですが、台湾企業経営者のお抱え運転手ともなれば、経営者直轄の極秘ミッションを持っている方もいます。
● 事例:運転手はやりがいのある職業?
総経理赴任1年目の手塚氏は自分のお抱え運転手の仕事ぶりには感心していた。
朝は8時のお迎えにも関わらず、7時半には来て待っているし、夜は飲みに行くときも「遅くなるから帰っていていいよ」との指示にも「ボスに何か有ると困りますので…」と言って手塚氏を待っているのだった。
ある時運転手に給料を尋ねると聞くと「3万5千元です」との事だったので、「この給料でよく働いてくれる」と思っていた。
そんなある日、手塚総経理は管理部長に「今回の定期昇給で運転手の給料を少し上げてやってはどうか?」と提案してみた。
管理部長:「彼の月収は私より多いのに、まだ上げるのですか?」
手塚氏 :「なに、彼の月給は3万5千元だと言っていたぞ」
管理部長:「確かに彼の基本給は3万5千元ですが、残業代が毎月6万元以上あり、毎月の収入は10万元を超えているのですよ。」
手塚氏 :「どおりで、朝も早くから夜遅くまで熱心なわけだ…」
● 解説
労働基準法84条の1には「労働時間に関する例外事項」が記載されており、労働時間の制限を受けずに労働できる職種の一つに「事業単位の長、幹部及び車を割り当てられた者の運転手」があります。
つまり、お抱え運転手には残業手当を払う必要がないのです。
また、4~5万元ほどで運転手の派遣サービスを提供している企業も沢山ありますので、そちらを利用するのも一つの方法ではないでしょうか?
えっ! 私ですか?
小さな会社ですので、お抱え運転手なんて、とてもとても…
ワイズコンサルティング 吉本康志